
明治27年7月に、日清戦争が起こり、その当初こそ株式は大暴落したが、戦勝の重なるにつれて高騰した。 しかし、9月以降8,000万円にのぼる軍事公債が発行されるに及び、金融は逼迫し、株式市場の人気も低調を余儀なくされた。 28年になると、戦勝による楽観気分で再び投機熱が高まる一方、産業界には会社の増資、新会社の設立がさかんに行われた。それが一段と市場を刺激し、12月には3日間立会休止という熱狂相場を現出した。ところが、 29年になると、年初の2・3カ月は市場も盛況だったものの、その後、貿易の入超、新設会社の払込徴収の増大などで、金融は渋滞し、株式市場の警戒気分が濃厚となった。 加えてこの年は、天災が相次いで起こり、戦時に一時的に膨張した経済の破綻を思わせた。