本町2丁目時代の看板母の死去と結婚、父業の継承独立という一身上の事情だけでなく、経済界の不況に加えて日露の開戦は避けられない情勢となり、信之助を取り巻く環境も大きく変化したが、この時期、「野村商店」には特筆すべきことがあった。新店舗の竣工である。明治37年2月、東区本町二丁目に土地を買入れて建設に着手した新店舗は、39年秋に竣工、9月1日移転開業した。これをみても、信之助が家業を継承した後、わずか2年間で、いかに「野村商店」の事業を発展させ、営業成績を向上させたかをうかがい知ることができる。