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トップメッセージ

本業を通じた社会への貢献、
それが私たちのCSRです
野村ホールディングス株式会社
執行役社長兼CEO
渡部 賢一

投資という本業を通じた社会貢献を行っていくことが、野村グループに与えられた役割であり、市場メカニズムの熟知と職業倫理の徹底が両立してこそ、初めて本業を通じた社会貢献が達成できると考えています。
“ワールドクラスの品質”を提供し続けること、そのために私たち一人ひとりが、プロフェッショナルとしての自覚と職業倫理をつねに念頭において仕事をしていくことが求められています。

今般の野村證券の元社員が起こしたインサイダー取引事件では、資本市場に対する信用を大きく失墜させることとなりました。ステークホルダーのみなさまに対して多大なご迷惑をおかけし、ここに謹んでお詫び申し上げます。
今後は、市場仲介者として求められる公共的な役割を自覚し、高い職業倫理と自己規律を役員と社員すべてが自らに課し、管理態勢をさらに整備し、再発防止と信頼回復に尽力してまいりたいと存じます。

“高い公共性”を持つ市場で生きていくために

金融、それも投資という本業を通じて社会貢献をしていくことが、野村グループに与えられた役割である、と私は考えています。この役割を果たすためには、野村グループで働く一人ひとりが、本業を営む場である市場あるいは市場メカニズムについて、その本質的な意味を充分に理解しなければなりません。

市場メカニズムというものは、必ずしも最善の仕組みとはいえないかもしれません。しかし、このメカニズムを通じて世の中に貢献し、対価を得ている野村という会社は、このなかで機能を果たしていくべき企業です。私たちは、市場メカニズムというものを充分に理解する一方で、決して市場原理主義のみに囚われることのないよう、常に細心の注意を払っていくことが必要です。

野村グループは一定のファイナンシャルテクニックを持った人間の集団です。しかし、市場という高い公共性をもつシステムの中で生きていく者として、単純に金融や証券に関する技術、知識に長けていればいいということではありません。個人のお客さま、法人のお客さまの先には、それぞれの家族や従業員がいらっしゃる、またそれぞれの取引先がいらっしゃる、ということに思いを巡らすことができなければならない。ファイナンシャルテクニックは必要ですが、それはあくまでも手段であり、我々の仕事には、極めて人間的な要素が重要といえます。同時に投資のプロフェッショナルとしての職業倫理は欠かせません。市場メカニズムの熟知と職業倫理の徹底が両立してこそ、初めて本業を通じた社会貢献が達成できるのです。

“ワールドクラスの品質”作りに向けて

野村グループは、「ワールドクラスの競争力を備えた金融サービスグループを目指す」、「変化を作り出すことで、内外の資本市場の発展に寄与し、成長機会を創造する」、「『日本を含むアジア』と欧米との架け橋になることを志向する」を経営ビジョンとしてあげています。この経営ビジョンを遂行すべく3つのキーワード、「ワールドクラス」「スピード」「変化を作る」を掲げました。

「ワールドクラス」という言葉には、規模も大切ですが、それ以上に「ワールドクラスの品質」、すなわち世界で通用する品質を目指すという意味を含んでいます。野村グループは日本のお客さまおよび市場を基盤としています。しかし、法人・個人を問わず日本のお客さまにはすでにグローバリゼーションが浸透し、私たちもそれに合わせて対応していかなければなりません。

昨年からのサブプライム問題によりアメリカ経済は大きく揺れていますが、それでもアメリカは依然として金融先進国であり、グローバリゼーションに対応するには、私たちもこの市場に挑戦せねばなりません。当然リスクは存在しますが、挑戦しつづけなければ存在価値は生まれないのです。くわえて新たな市場、中国や中央アジア、またはロシアといった国々でもビジネスを展開してまいります。金融にはファイナンスという共通言語があります。この共通言語を用いながら、それぞれの国や民族の歴史や文化に向き合い、尊重し理解し、挑戦を積み重ねていくことによって、アジア発、それぞれの地域への架け橋となり、ワールドクラスの品質ができあがっていくと考えています。

その一方で、サブプライム問題によって欧米の投資銀行が公的機関からの支援を受けるなど、市場環境は曲がり角を迎えているといえます。これまでのようにレバレッジを効かせて利益を得るというビジネスモデルはおそらく変化を遂げていくでしょう。こういったなかで、時代の新たな要請に沿って、経済的な側面だけでない企業のあり方を追求し、かつ野村グループらしい方法でビジネスモデルも提供していきたい。ワールドクラスの品質を持った金融商品やサービスをご提供していきたいと思っています。

また、「スピード」というキーワードですが、経営の本質とは合理的な判断であり、そしてその判断の過程ではつねに「スピード」が求められます。市場における時価については、その正否を含め議論はあるものの、市場によって決定されているものであり、1時間後には変わっているかもしれませんが、その時点においては正しい。それが市場メカニズムであり、証券会社を中心とした金融サービス会社の経営には機動性やスピード感が当然のように求められるのです。

「変化を作る」ということについていえば、お客さまやマーケットの声に真摯に耳を傾け、金融・資本市場を通じて付加価値の高い問題解決策をお客さまに提供してまいります。そのなかで、我々の活動の場である資本市場に変化を作り出す。変化を作り出すことで、内外の資本市場の発展に寄与し、成長機会を創造することを目指しています。

本業を通した社会貢献

営利企業であるからには、利益を出し続けることが重要です。「恒産なくして恒心なし」という言葉があります。どのような活動を行う場合でも、その原資はつねに必要なのです。同時に、金融、投資という本業を通じて長期的視野を持って社会に貢献していくことが野村グループの使命です。本業を通じて与えられた方程式の中にその活動が組み込まれていてこそ、CSRだと考えています。

「環境」という課題についても、自社における環境負荷の低減という努力はもちろん、顧客や社会の取り組む課題に対して、本業を通じたソリューションの提供を行っていくことが肝要であると思います。

当社の取り組みの具体的な例としては、金融教育という主旨のもと、中学生に向けた副教材『街のTシャツ屋さん』をこれまでに約20万部お届けしています。また、小学校高学年向け副教材として『街のけいざい教室』を2008年3月に発行しました。正しい金融知識を継続して教えていくことが、国家を支える大人を育てることにつながり、それが社会への貢献になると考えています。

同様に、次世代の育成という視点において、野村グループでは1990年以降「パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)」を応援しています。これは文化・芸術支援という位置づけですが、若い音楽家とファンを育てるための環境づくりが目的です。彼らの将来において役立つに違いないという思いで、20年近く続けています。

いい意味での“強い野村”を目指して

野村ホールディングス株式会社
執行役社長兼CEO
渡部 賢一

 

野村という会社はいい意味で強い会社でなければならないと思います。日本国内で強いというだけではなく、グローバルにおいて一定の存在感、競争力を持った企業でありたい。バブル崩壊後も、野村はバハレーンや東欧諸国に拠点を持ち続けました。それが当該諸国から認められて、現在も一定の評価を得ているといえます。国内外においてワールドクラスの品質でコミットし続けること、これがグローバルで存在感を示すために重要なことだと思います。

一方で、日本の証券会社として個人のお客さまを守っていく強さも必要です。市場ではさまざまな金融商品、株式が取引されています。なかには、十分にリスクをとっていただく必要のある商品も含まれます。お客さまの資産額やニーズに合わせて商品設計をする、あるいは商品設計の段階で事前に自己取引を通して状況を確認するなど、一定の品質を保った商品を提供しつづけることが社会から求められていると考えます。

私たち一人ひとりが、「どのようにすれば自分の仕事が社会のためになるのだろう」とつねに思いを致すこと、そして、プロフェッショナルとしての自覚、職業倫理をつねに念頭において仕事をしていくことが求められています。これこそが、ワールドクラスの品質という言葉の内実であり、野村グループにおける本業を通じた社会への貢献であると思います。

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