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金融・経済教育の普及・浸透|『街のTシャツ屋さん』
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野村グループでは、金融知識を求めている人々に、幅広い経済・証券教育の機会を提供することで、真の豊かな社会の創造に貢献していきたいと考え、さまざまな取り組みを行ってきました。 しかし、証券市場や金融知識の理解を広めようと取り組んできた活動も、低年齢層には投資の世界を十分に理解してもらえないという現実がありました。日本の子どもたちは、経済・社会の仕組みを充分に教わっているとはいえなかったからです。野村グループでは、2004年度に小中学生の教員を対象にアンケートを行い、「金融経済教育の実施と普及を阻害しているものは何か?」を問うと、実に半数以上の先生から同じ答えが返ってきたのです。それは「教材の未整備」でした。 野村グループでは、何とか教育現場で使っていただける教材ができないのだろうかと議論を重ねました。そしてその答えが、2006年3月に完成した中学生向け社会科公民の副教材『街のTシャツ屋さん』でした。現在では、配布の希望をいただいた全国の約2,000の中学校に約20万部(2008年4月末)を寄贈いたしました。単科の副教材としては異例のヒットとなっています。今回は、実際に授業で副教材を使用し、授業を行っている中学校の先生に、その教材の評価をうかがってみました。 |
先生が工夫をこらし、中学生をイキイキさせる!
『街のTシャツ屋さん』と 教師用指導の手引き
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「それはもう、イキイキしていますよ!40人のクラスで、一人ひとり興味や能力が違うなかで、それぞれに普段の授業よりも前向きに自分なりに考えて、自由な発想で会社をつくれたということは非常によかったと思います。」 東京都大田区立貝塚中学校で公民を担当する武藤雄丈先生(現:町田市立木曽中学校)は、金融・経済教育教材として、『街のTシャツ屋さん』を使った授業の成果を、こう話しました。授業は、最初に簡単な説明を受けたあと、5班に分かれて自由に討論し、全員が自分の起業のアイデアを提案します。班長はそのなかでベストと判断したアイデアを班の代表に選出、代表になった5名がプレゼンテーションを行うという進行です。 たとえば、食の安全、日本の自給率向上を目指した野菜工場“農安社”という会社を考えた生徒は学年トップクラスの生徒。“あんみつ屋”さんは、あまり授業は好きではない生徒が下校途中でどこかに寄り道して帰りたい、という発想から生まれました。「そんな風に、それぞれの子の特性も見えてきた」と武藤先生。そうしたなかで、生徒たちが敏感に反応したのが企業の社会的責任だったそうです。「職場体験を受け入れる会社の社会的責任について、自分たちの視点で考えられる子が出てきたことは予想外だった」とのこと。「起業」をテーマにしながらも、経済の基本的なしくみに関心が広がる様子がうかがえます。 |
金融・経済教育の人気教材『街のTシャツ屋さん』
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『街のTシャツ屋さん』は中学3年生を想定し、「Tシャツの会社をつくる」という身近なストーリーを通じて、金融や経済のしくみについて学ぶことを目的としています。長年、経済・金融教育に取り組んできた、京都大学経済研究所長(当時)の佐和隆光教授(現・立命館大学政策科学研究科教授)が監修者となり、野村グループの協力によって2006年3月に誕生しました。佐和教授が経済学者の立場からアドバイスをして、全部で10名ほどのスタッフが集まった会議で、計30時間におよぶ打ち合わせを重ねた作品。本書には、「21世紀を生きる今の子どもたちが大人になって、市場経済の賢いプレイヤーになってもらいたい」という佐和教授の想いが込められています。 2006年3月中旬にサンプルを全国の中学校に配布し、希望校に無償提供する体制を整えました。当初、11万部を印刷しましたが、希望校が800校と予想を超えたことから、急きょ5万部を増刷。2007年3月、教材を申し込んだ全中学校を対象に実施したアンケートでは、生徒が『街のTシャツ屋さん』に何らかの興味を示したとの回答は回答者の97.1%、「授業に使用した、これから授業に使用する」との回答は同85.3%、さらに「これから金融・経済教育は必要」と答えたのは86.4%に上りました。 |
なぜ、多くの中学校で採用されたのでしょうか?
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「最初に教材セットが郵送されてきたときに、直感で、“使えるな”と思いました」と武藤先生。中学生にとって1ページの分量が適度で、教師用の指導書(ワークシート)がついていたことも理由の1つ。教師はワークシートを自分で作りたい気持ちがありますが、時間が取れません。「ワークシートを工夫・改善して活用しやすい教材にできます。教育の現場をよく理解している先生が作られたな、と思いました」と好評です。 佐和教授は、「評判が良いのは、基礎的な“経済のしくみ”が書いてあるからだと思います。中学生の段階で起業家教育、投資家教育に偏った教育は、経済の基本ABCを学ばせることにはなりません」と語っています。 金融・経済教育の普及に尽力してきた佐和教授は今、「ようやく、実を結んだ、という実感があります」と話しています。米国では各年齢に見合った内容で経済のことを教えており、「経済学は米国の社会文法みたいなもの」とのこと。野村グループでも、小学校から社会人まで、それぞれの段階に合わせた内容とツールを用意した教育プログラム体系を採っています。 |
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