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CFOメッセージ

執行役 財務統括責任者(CFO) 北村 巧

2016年4月に、執行役CFOに就任しました。それ以前も、ファイナンス部門を約20年経験し、財務の側面から当社のビジネスに携わってきました。私自身の経験から、CFOとしての使命は、大きく分けて2つあると考えています。

まず、一つ目は収益性の改善と資本効率の向上です。例えば先日発表したコスト削減に関しては、進捗度合いを計測して、その遂行を確実なものとします。そして適正な経営資源の配分を行い、そのリターンを都度検証し、限りある経営資源を有効活用するよう努めます。

二つ目は、適正な財務基盤の維持です。当社は、変動の激しい資本市場において金融商品の取り扱い等を本業としています。グローバルな金融機関に対する規制強化の流れの中、十分な流動性と、盤石な財務基盤はいわば生命線であり、それが、時として他社との差別化要因にもなり得ます。

2016年3月期の業績

2016年3月期は、比較的に順調な滑り出しでした。しかし8月以降の中国経済の減速懸念や、主要各国の金融政策の影響に対する不透明感などを背景に、お客様のアクティビティが減少し、下半期は、難しい事業環境になりました。アセット・マネジメント部門は、運用資産残高をしっかりと積み上げ、増益でしたが、営業部門やホールセール部門は利益が減少しました。その結果、3セグメントの税引前当期純利益は1,797億円と、前年比で35%の減益でした。

また、3セグメント以外でも、株価下落による有価証券の評価損や、係争案件の和解費用などが利益の押し下げ要因になりました。全社の税引前当期純利益は1,652億円、当社株主に帰属する当期純利益は1,316億円、一株当たり当社株主に帰属する当期純利益(希薄化後)は35.52円でした。

当期純利益※1およびEPS※2推移
※1 当社株主に帰属する当期純利益
※2 希薄化後一株当たり当社株主に帰属する当期純利益
2016年3月期の収益構成

収益性改善の取り組みと資本効率の改善

当社が、まずやるべきことは、難しい環境でもしっかりと利益が出せる、筋肉質な体制づくりだと考えます。システム面の投資を行い、業務フローの効率性を高めること、また当社が競争力を発揮できるビジネスへの選択と集中を加速させるなど、次世代を見据えて、一つひとつ手を打っていきます。

ホールセール部門では、海外地域の収益性改善に向けて、欧州・米州ビジネスの見直しに着手しました。一部ビジネスの閉鎖および合理化を行うことで損益分岐点を引き下げるとともに、高いノウハウ、収益性をもつ分野に経営資源を集中させます。大規模なコスト削減は過去にも行ってきておりますが、今回は一部ビジネスの閉鎖など、一段と踏み込んだ対応です。

また当社は、財務的な経営資源について、お客様のニーズに応え、事業機会を迅速かつ的確に捉えていくべく、ビジネス・地域間の最適な配分に努めています。各ビジネスに配賦された経営資源に対し、十分なリターンを上げられているかを定期的に検証しています。そして、個々のビジネスの収益見通しやフランチャイズとしての必要性、業界における当社の立ち位置などを総合的に勘案し、機動的な経営資源の再配分や、必要な経営判断を行っています。

ホールセール部門のコスト水準※1
※1 各期間の月末スポットレート(平均)でドル換算
※2 2016年3月期のビジネス環境が続いた場合のコスト水準

財務基盤

当社の強みは、盤石な財務基盤をもっていることです。2008年の金融危機後、グローバルな金融機関に対する規制強化が議論されてきました。未だ最終化されていない重要な規制がいくつか残されており、当社へのインパクトがどのようになるか、完全には見極めきれてはいません。そのような状況もあり、2016年3月末の連結Tier 1比率は16.1%と、高めの水準を維持しています。また、流動性ポートフォリオは5.9兆円と、市場全体が流動性ストレスにさらされる状態でも、追加的な調達に頼らず、一年間事業を継続することが可能な水準を保持しております。

野村グループには、お客様、株主、債権者、取引先、各国の金融・税務当局、格付会社など、さまざまなステークホルダーがいます。これらステークホルダーの意見に耳を傾け、当社が持続的な成長を達成できるよう、適切な財務戦略・資本政策を機動的に行っていくことが、重要だと考えています。

リスク・アセット、連結Tier 1比率
  • 2012年3月末はバーゼル2.5、2013年3月末2016年3月末はバーゼル3に基づく数値
流動性ポートフォリオ
  • 流動性管理の観点に基づくもので、財務諸表の定義と異なる。流動性ポートフォリオの中の現金・預金は取引所預託金およびその他の顧客分別金を含まない

株主還元

当社は、株主への利益還元につきましては、株主価値の持続的な向上および配当を通じて実施していくことを基本としています。配当は、半期ごとの連結業績を基準として、連結配当性向30%を重要な指標の一つとし、国内外の規制動向、経営環境などを総合的に考慮し、配当額を決定しています。2016年3月期の年間配当は、1株当たり13円とし、連結配当性向は35.6%となりました。

また、資本効率の向上と、機動的かつ柔軟な資本政策の一環として、自己株式の取得も行いました。今後も、2020年の目標であるEPS(一株当たり当社株主に帰属する当期純利益)100円に向け、株価水準や規制対応に必要とされる資本水準に留意しつつ、高い収益性・成長性の見込める事業分野への投資と、適切な株主還元を続けます。

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