グループCOOメッセージ

2020年3月期経営ビジョンの達成に向けて 代表執行役副社長 グループCOO 尾﨑 哲

3年前に策定した2020年3月期への経営ビジョン(Vision C&C)と、それに基づく経営目標へのさまざまな取り組み(Road to 2020)も、残すところ、あと3年となりました。

世界の政治・経済や、テクノロジーの進化は、まさに歴史的な転換期にあり、金融機関のビジネスモデルも急速に変化しています。そのようななか、「すべてはお客様のために」を徹底的に追求するなかで行ってきた自らの変革への挑戦も、いよいよ正念場となってまいりました。特に、過去5年にわたり戦略の大きなテーマとしてまいりました、「国内におけるビジネスモデルの変革」と「海外ビジネスの収益性の改善」の2つを軸に、2020年3月期の経営目標であるEPS100円を安定的に確保できる体制の確立に向け、ここから3年、着実に実績を積み重ねてまいります。

2016年は、EU離脱(Brexit)をめぐる6月の英国国民投票や、11月の米国大統領選挙など、底流にある歴史的な変化のうねりが顕在化し、まさに不確実性の時代への突入を感じた一年でしたが、金融危機以降で最高となる希薄化後EPS65.65円を、何とか達成することができました。

2020年に向けた各ビジネスの取り組み

それでは、ビジネス部門別に2017年3月期までの実績と2020年3月期に向けた今後3年間の取り組みについて、ご説明いたします。

まず営業部門は、長期投資を主体としたリスクマネーの拡大においては、難しい市場環境のなかで足踏みを余儀なくされましたが、収益は、市場の回復にともなって第1四半期を境に最悪期を脱しました。また、マイナス金利環境下における未曾有の運用難のなか、金融機関のお客様に対する投資ソリューションの提供が拡大し、加えて企業オーナーのお客様に対する事業承継や資産管理のビジネスも大きく成長しました。

経営目標(EPS)と、その進捗

一株当たり当社株主に帰属する当期純利益

2020年3月期に向けて、顧客資産残高150兆円を一つの主要な業績評価指標(KPI)として取り組んでいます。そのために、営業部門の体制を、お客様との接点を増やし、その有効性を高める方向で全面的に刷新し、同時に、全国の部店長の裁量を大きくすることによって、よりお客様に近いところで、より柔軟かつ迅速に運営できる体制といたしました。

また、FinTech導入等の金融イノベーション推進も、営業部門内にて具体化を早期化すべく体制を拡充し、少しでも多くのお客様に満足いただけるよう2018年3月期を大きな節目としてスピードを上げてまいります。

アセット・マネジメント部門では、時価の上昇に加え、主に2つの側面が貢献し、運用資産残高は過去最高を更新しました。一つには、ETFに対する投資家のニーズを捉え、ETF最大手の運用会社として豊富な品揃えと高いシェアを維持・拡大することができたこと、もう一つは、国内外の機関投資家から運用のマンデートを獲得し、パフォーマンスが良好なハイイールド・プロダクトなどに資金が流入したことです。資産収益率が低下するなかでも、資産あたりの費用を抑制し、税引前当期純利益は、2002年3月期以降の最高益となりました。

2020年3月期に向けては、日本の資産運用業の発展・成長に貢献しつつ、そのなかで高いシェアの維持・拡大を目指します。また、2016年5月に提携したアメリカン・センチュリー・インベストメンツ社との協業の深化を含めて海外の投資顧問ビジネスをさらに拡大し、KPIとして、運用資産残高55兆円という水準を目指してまいります。

営業部門、アセット・マネジメント部門ともに、特に日本のリスクマネー拡大という日本の課題解決とその結果としての資産拡大を最重要テーマとしておりますが、最近改めて再確認された「顧客本位の業務運営」に関しても、営業部門とアセット・マネジメント部門が独自の取り組みを進めながら、リーディングカンパニーとして不動のデファクト・スタンダードを継続することにより、課題解決と業績の向上を目指してまいります。

ホールセール部門では、2016年4月に公表した欧州・米州ビジネスの戦略的な見直しにより、特に海外の損益分岐点を大幅に引き下げることに成功しました。日本は、固定化された金利水準の影響や株式相場のモメンタム不足などから、収益が伸び悩みましたが、海外ではBrexitの決定やトランプ米大統領の誕生といった大きなイベントにおいても、強化したリスク・カルチャーで乗り切ることができ、グローバル・マーケッツ、インベストメント・バンキングともに、生産性を大きく改善することができました。経営課題である「海外ビジネスの収益性の改善」について、ようやく大きな一歩を実感できた一年となりました。

グローバル・マーケッツでは、特に金利ビジネスや、通貨などの新興国市場ビジネスで、お客様からさらに信頼を獲得することができ、顧客基盤の拡大と収益の多様化が進みました。インベストメント・バンキングでは、クロスボーダーM&Aや付随する複合化案件の獲得、また、グローバル・マーケッツとの協業の深化により組成・販売の体制強化が行われ、特に米州における生産性が大きく改善しました。

2020年3月期に向けては、お客様からのニーズが強いオリジネーション(組成)と新興国市場ビジネスを、グローバル・マーケッツとインベストメント・バンキングの協業を推進することにより、さらに拡大してまいります。また、各地域の連携によるクロスボーダービジネスをさらに強化してまいります。そして、今後とも適切なリスク管理と効率的な経営資源配分を両立させることで、市場変動に影響されにくい、より安定したビジネスモデルの確立を目指してまいります。

2020年3月期経営目標を達成するための主要な業績評価指標(KPI)

2020年3月期環境想定: 日経平均株価25,000円、ドル円レート115円、国内法人税の実効税率20%台、ホールセール関連フィープール成長率1%(年率)

マトリックス経営をさらに強化

また2017年3月、各地域の課題・目標をスピーディに解決・達成すべくマトリックス経営を強化しました。欧州は、Brexitという一大イベントを視野に、いかにお客様から効果的に選ばれる存在になるかの歴史的な正念場となります。米州は、生産性の大幅な向上を背景に、その生産性を維持したまま、いかにクロスボーダービジネスのニーズ拡大に資する体制構築ができるかについて、大きな山場となります。アジアは、新たに門戸を開かんとする中国を含め、野村の中長期的なフランチャイズを確立すべく、部門を超えたサービス提供のスピードを上げてまいります。

日本では、少子高齢化が進むなか、生産性の向上と世代間格差の解消が喫緊の課題であり、社会全体が新たな成長モデルを模索しながら、急速に変化しつつあります。当社においても、働き方改革(Nomura Work StyleInnovation)に取り組み、より効果的なサービスを、より効率的に提供できるか、すなわち、いかに野村の強みをお客様に徹底的に使っていただくかを追求し、全社的なコスト・コントロールを含め、生産性の向上に努めてまいります。同時に、日本の金融市場におけるイノベーションを推進し、市場の活性化につなげてまいりたいと思います。

マトリックス経営

左から、Vikas Sharmaアジア地域ヘッド、渡邊国夫アセット・マネジメント部門長、Steven Ashleyホールセール部門長、尾﨑哲グループCOO、永井浩二グループCEO、永松昌一コーポレート統括、森田敏夫 野村證券代表執行役社長、山口英一郎 営業部門長(最前列)、Jonathan Lewis 欧州地域ヘッド、奥田健太郎 米州地域ヘッド

2017年8月
代表執行役副社長 グループCOO
尾﨑 哲

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