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「市場立国へ。」
個人マネーが経済構造を変える
[ 日本経済新聞2002年10月6日付広告 ]


「日本経済再生の鍵を握る個人投資家」
野村ホールディングス取締役 国内営業部門担当 野村證券専務取締役 柳谷 孝 個人マネーの動向が市場中心の金融構造へ移行できるかどうかの鍵を握る。個人の投資に対する意識は現在どの程度か、テレビ東京アナウンサー槇徳子さんが、野村證券専務で野村証券グループの国内営業部門を担当している柳谷孝氏に聞いた。 テレビ東京アナウンサー 槇徳子
野村ホールディングス取締役
国内営業部門担当
野村證券専務取締役
柳谷 孝
  テレビ東京アナウンサー
槇徳子
女性や若年層など幅広い層に証券投資広がる
規制緩和で新しい商品群


定期性預金のペイオフ解禁後も、個人マネーは期待されたほどマーケットに流れてないようですね。
柳谷 そういわれていますが、個人のお客様が着実にマーケットに参加していることも事実です。例えばこの三年間、野村證券で申しますと株式を保有している口座は毎年着実に増えています。女性や若年層も含めた幅広い層が、それぞれの視点で株式投資に参加しています。例えば女性のお客様ですと百貨店やレジャー、鉄道、化粧品など、20代、30代の若い方ですと、ゲームや娯楽関係などの自分にとって身近な企業の中から、リスクを検討した上で株式を購入される傾向があります。
また、グローバルな視点でリスク分散を考えて、外貨建ての資産を検討する方も増加しており、弊社では、この一年で外貨建て資産に投資する商品の残高が大幅に増えています。
なかなか資金がマーケットに入ってこないと言われていますが、実は新しい投資家が入ってきているというわけですね。そんななか、規制緩和で証券会社が取り扱うことのできる金融商品も広がっていますね。
柳谷 昨年来、ETF(株価指数連動型上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)、オルタナティブ投信など新しい商品が登場しています。昨年10月から販売を開始した変額年金保険も好調です。
これからも個人投資家のニーズに合った商品を、どんどん提供していきたいですね。
自らの老後を自分で設計する時代
110を超える大学で証券講座を開催


一連の金融改革の中で個人マネーもマーケットと無関係でいられない状況になってきたわけですが、例えば企業年金のあり方もかなり変わってきましたよね。
柳谷 そうですね。年金債務が企業の決算に大きく影響を及ぼしてしまうということもあり、確定拠出型年金の導入を検討する企業が増えてきています。このような企業の従業員の方々、さらには個人事業主の方々も、自らの年金をどのように運用して、老後を設計していくのかを自分で決めなければならない時代になってきました。
そういう背景を踏まえると、個人投資家に自己責任やリスクがどういうことかを理解してもらうために様々な教育を広く行っていく必要性が高まってきていると思います。それにはどう取り組んでいますか。
柳谷 私どもではB&D(ベーシック&ダイナミック)という活動を続けています。これは証券市場や証券会社への理解を深めていただいて、投資家のすそ野を拡大していこうという活動です。その一環として昨年から大学で証券講座を開催しています。今年度は110を超える大学で、幅広く証券の知識を持っていただく機会を提供しています。今後ともこうした取り組みを継続的に行っていきたいと思っています。
とにかく個人投資家の意識改革がないと、市場中心の金融システムに近づいていきません。これに関してSEC(米国証券取引委員会)のアーサー・レビット前委員長がいいことをおっしゃっていましたね。
柳谷 「個人投資家の育成は国家戦略である」ですね。個人投資家が洗練されれば、より付加価値を生み出す企業への投資が進むという市場原理が働き、それが産業の活性化、経済の再生につながっていくということだと思います。競争力がある企業を見極める個人投資家の審美眼も高まりますので、そうした企業に、より資金が配分され、結果的にその企業はさらに競争力を高めていくという好循環になる。その意味では日本の個人投資家が今後、育っていくかどうかは極めて重要な問題で、日本経済再生の鍵を握るのではないかと思います。
そのためには、まだまだマーケットやルールの整備といった側面支援が必要ですが、どんなことを期待、要望しますか。
柳谷 企業の競争力を高めるための投資減税や規制緩和が望まれます。また国民にはっきり分かる形で投資を優遇するというメッセージを発信することも必要です。代表的なものはやはり税制だと思います。
証券税制は簡便にできるものは簡便に
個々人の資産状況を踏まえたアドバイス必要


どのような証券税制のあり方が望ましいとお考えですか。
柳谷 基本的には金融所得の一元化ですとか二元的所得課税というようなシンプルな税制が一つの理想形だと思っています。金融所得を株式から預金の利息に至るまで総合的に把握するものです。いずれ日本も米国のように所得を申告し、年金も自分でどういう金融商品で運用するのか設計していくという、本当の意味での自己責任で資産を管理する時代になっていくのではないかと思いますので、簡便にできるものはより簡便にしていく必要があるでしょう。
一方で、証券税制改革が進んでいます。内容はかなり複雑で、投資家にとってプラスになるのかマイナスになるのか分からない面もあるように思います。
柳谷 証券税制は内容を一人ひとりがよく把握する必要があります。例えば特定口座という仕組みがスタートします。株式売却益の申告を簡便化しようという制度ですが、株式を購入した時期などによっては、むしろ利用しない方がいいケースもあります。私たちは証券のプロとして証券税制にも精通していなければなりません。また、お客様の資産状況とニーズをよく伺った上で一人ひとりに最適なアドバイスができる体制が必要です。投資家の皆様のご期待に応えられるよう全力で取り組んでいきたいと思っています。


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