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「市場立国へ。」
投資家と市場の新たな関係作りのために〜リサーチの重要性
[ 日本経済新聞2002年10月20日付広告 ]


「科学的な金融知識の普及こそ投資を発展させる」
テレビ東京アナウンサー 槇徳子 投資判断をする上で参考となる証券アナリストの予測。投資の世界の羅針盤といってもいい。今後の証券アナリストのあり方を、野村證券取締役で野村証券グループのグローバル・リサーチ担当の福原賢一氏にテレビ東京アナウンサーの槇徳子さんが聞いた。 野村証券グループ グローバル・リサーチ担当 野村證券取締役 福原賢一
テレビ東京アナウンサー
槇徳子
  野村証券グループ
グローバル・リサーチ担当
野村證券取締役
福原賢一
最先端の分野で国内外の研究者と共同研究
独自に取材して仮説立て将来を予測する


証券アナリストと一口に言っても多くの専門分野がありますね。
福原 野村證券金融研究所の場合、企業調査アナリスト、クオンツアナリスト、企業経営に関するアドバイスやコンサルティングを行うアナリスト、投資戦略を立案するストラテジストの4つに分類しています。
クオンツアナリストとは聞き慣れないのですが。
福原 企業調査アナリストが個々の企業の事業戦略など定性的な部分を重視して分析を行うのに対し、証券市場を定量的あるいは数理的に分析しているアナリストです。米国でノーベル賞学者を輩出した「金融工学」と呼ばれる最先端の分野が活躍の舞台です。野村のクオンツアナリストたちは証券投資に加え企業経営にも生かすべく国内外の学者達と盛んに共同研究を進めています。
4つに分類されているアナリストに共通するのは、情報を分析してそれを基に予測を行うことだと思うのですが、アナリストはどのように予測を立てるのですか。
福原 たとえば企業調査アナリストの役割は、様々な企業情報を分析して、将来の業績を予測することです。公開されている情報と会社への訪問や工場見学など独自の取材を通じて企業の将来についての仮説を構築します。その上でその会社が生み出すキャッシュフローを予測するわけです。
個人投資家はアナリストの予測をどのように入手することができますか。
福原 アナリストが執筆したレポートそのものは野村證券の本支店や「ホームトレード」を通じてご覧いただけます。また『野村週報』や『月刊 資産管理®』、『Nomura21』などの出版物を通じ、より多くの個人投資家の皆様にご理解いただけるよう、分かりやすい形に加工して情報をお届けしています。さらにこの10月に、休刊していた『財界観測』を3年半ぶりに復刊することになりました。内外の経済展望、経済・資本市場統計や資産運用論、企業財務論などから構成される金融経済レポートですが、この前身の『財界研究』の発刊は昭和元年まで遡り、野村の調査部門を代表する出版物のひとつです。
問われる職業倫理
日本で初めての証券調査部門


エンロンやワールドコムの事件をきっかけに、米国でアナリストへの信頼問題がクローズアップされましたが、この問題に関してはどう思いますか。
福原 証券アナリストが私利私欲のために情報や仮説をねじ曲げることは職業倫理として許されるべきではありません。アメリカには一回の大口取引が巨額の報酬につながるというような報酬体系が存在し、グリーンスパンFRB議長曰く「伝染性のある強欲さ」を醸成する土壌があることは否定できません。もちろん規制の強化や新たな仕組みの構築も重要ですが、大切なことはアナリストが高い職業倫理に基づいて仕事をすることだと思いますね。
野村の創業者野村徳七が証券調査部門を作ったのは明治39年ですが、当時、日本では証券調査というものが重要視されず、ほとんど存在すらしていませんでした。そのころの徳七は科学的な証券知識や取り扱う業者の倫理観が不充分であることから株式投資が一般に行き渡らないと憂いていました。アメリカでの一連の事件にアナリストが加担したと聞いた時に、私は創業者の精神を思い起こしました。我々のDNAともいうべき徳七の思いは大切にしていきたいですね。
所属する会社の中での他部門からの独立性も重要だと思います。
福原 アナリストは投資家サイドから評価されなくてはならない。投資家から期待され信頼されることが会社にとってもメリットであるという自覚が大切ですね。
企業が生み出す利益を家計に取り込む
米国・英国に学ぶ、不況下の株価上昇


市場中心の金融システムを早く完成させようという機運が高まっています。私たちも今までとは大きく意識を変えていかなければなりませんね。
福原 一番大切になるのはいわゆるリスクの概念だろうと思います。かつてはすべての預貯金が、実質的に保護されてきました。これがリスク概念を麻痺させる大きな要因になったのではないかと思います。市場中心の金融構造の下では、個々人が、様々な資産に存在するリスクが自分の目指そうとしているリターンに対してどういう関係にあるのかをきっちり把握していく必要があるでしょう。
現在、いわゆる企業のリストラがデフレ不況の要因のひとつといわれています。デフレ圧力によって減少した家計の所得や金利収入を取り戻すには、リストラの成功によって利益が増加する企業の株式を保有することで可能になります。アメリカのレーガノミクスやイギリスのサッチャリズムといった経済構造改革においても、当初、両国の景気は低調でした。しかし、リストラ効果で企業収益が好転し株価が上昇したため、家計が保有する株式の資産価値が増大し、それが消費に結びついて景気は回復しました。現在、株価の水準は歴史的な安値圏にあります。野村證券金融研究所は調査対象の国内主要400企業の利益額が、リストラ効果によって今期は大幅に回復すると予想しています。したがって今後の予想利益水準に比べて現在の株価は割安な位置にあるといえるでしょう(グラフ1)。また、株式には価格変動のリスクがありますので、単純に比較はできませんが、株式の配当利回りは一年の定期預金金利を上回っていて配当の点からも魅力的な水準と思われます(グラフ2)。
今後もますますアナリストが果たす役割は重要ですね。
福原 株式という資産がもたらすリスクとリターンを本当に分かりやすい言葉でお伝えし、リスクを取る行動を支援していく立場として、責任の重さをひしひしと感じています。
(グラフ1) 株価指数と企業収益の推移
(グラフ1)株価指数と企業収益の推移
(グラフ2) 定期預金金利と株式配当利回り
(グラフ2)定期預金金利と株式配当利回り


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