|
高校生以下の子供を持つ首都圏・京阪神700世帯の主婦を 対象にしたアンケート
『第9回 家計と子育て費用調査』 (エンジェル係数調査)
|
| 第9回 家計と子育て費用調査 |

|
生活水準の向上に伴い「エンゲル係数」(消費支出に占める食費の割合)は、年々減少しています。その一方で、子育てにかかる費用は学校、塾、習い事や将来のための預貯金など多岐にわたるようになり、その額も93年まで上昇傾向にありましたが、その後は、景気の低迷の影響を受け下落に転じました。子育て費用は景気と家計の関係を計る上で重要な指標になります。
今回で第9回となる本調査は、野村證券が89年(平成元年)から隔年で継続実施しているものです。家計と子育てを継続的に見る視点として「家計支出に占める子育て費用の割合」=「エンジェル係数」という造語を打ち出し、過去17年間にわたり、子育てという観点から家計の現状、経済事情を定量的に捉えたユニークな調査として各方面から注目されてきました。
当初はなじみのなかった「エンジェル係数」という造語も、次第に定着し、用語辞典に収録され、時事・報道の場でも一般的に使われるようになってきました。
本年の調査では、子どもを巻き込んだ悲惨な事故・事件が相次いだことにより、子どものセキュリティが社会問題になっていることに対応して、「子どもの安心・安全に関する費用」のアンケート項目を付け加えました。
また、前回の第8回調査で新たに加えた子育てにおける祖父・祖母の経済的関与の項目に、さらに親戚全般の経済的関与についても検証すべく調査項目を追加しました。
調査は、2005年7月に首都圏と京阪神に住む高校生以下の子供を持つ700世帯の主婦(首都圏350世帯、京阪神350世帯)を対象にアンケート形式で行いました。
項目ごとに結果を要約すると、以下のようになります。
|
エンジェル係数は、1989年の第1回調査から93年調査でピークに達し(33.4%)、これ以降低落傾向にある。97年(30.2%)以降はほぼ横ばい状態が続いていたが、前回の調査で再び下降し、同様のサンプリング方式となった91年第2回調査以降最低を記録。今回はさらに微減で最低値を更新し28.0%となった。
一方、今回の調査で特徴的なのは、景気や家計に関する回答が目に見えて改善していることである。エンジェル係数とともに、ここ10年ほど悪化・減少の傾向にあったが、これが変わった。倹約指向はほぼ横ばいであることを考えると、景気の上向きを感じながらも子育て費用を含む財布の紐は緩めない様子見の状況といえるかもしれない。今後、景気の上昇が明確になるにつれエンジェル係数も上昇する可能性がある。
今回の調査では、子どもの安全・安心に関する質問を盛り込んだが、これは子育て費用の新しい項目となり得るため、エンジェル係数の変動要因の1つとなるだろう。
また、今回「祖父母以外の親戚」の協力を聞いたところ、おい・めいをかわいがるおじ・おばの姿が認められた。非婚・晩婚、少子化社会において、親戚が果たす子育ての役割はより重要になると考えられる。子育ての経済環境を考えるにあたって、現在、家庭内で計測しているエンジェル係数とにらみ合わせていく必要がある。
|
【家計動向】(報告書5ページ参照)
「景況感」「暮らし向き」は改善感が広がり、過去10年間で最もポジティブな回答。ただし、依然として節約指向は根強い。
- 前回調査に比べ、景気が「良くなっている」は10.0%増加、「悪くなっている」は36.7%減少。暮らし向きについては、「良くなっている」は6.2%増加、「悪くなっている」19.5%減少。
- 悪化の一途をたどっていた前回調査までと比べると、一転、好景気感が漂い始めている。
- 前回調査では倹約の増加傾向が顕著であったが、今回調査では、倹約を「かなりしている」「多少している」が微減傾向にある。ただし、景気、暮らし向きの改善感と比べると変化は小さい。
【子育ての負担感】(報告書8・9ページ参照)
増加の一方だった「負担感」は、やや改善され61%。前回比で約5ポイント減少。
- 子育てについて「かなり負担」「やや負担」が60.5%で、前回調査時からは4.6%減少。過去最高水準からやや改善。
- 実際の負担の増減は、「かなり増えている」が前回より4.7ポイント減少したが、「やや増えている」は11.7ポイント増加しており全体としては増加傾向。負担感の減少は、家計全般の改善からくる一服感が反映していると思われる。
- 子どもを増やすのを躊躇・断念した経験がある主婦は全体で44.7%。その理由としては「世帯収入」「住居スペース」「教育費」など経済的なものが上位を占める。
【子育て費用】(報告書6・7ページ参照)
エンジェル係数は前回から微減の28.0%で過去最低を更新。
教育費の割合は、37.5%でほぼ横ばい。
- 家計支出平均は月額26.8万円、子供のための家計支出平均は月額7.5万円だった。
- エンジェル係数(家計支出に占める子育て費用の割合)は28.0%で前回の過去最低水準をさらに下回った。
- 子育て費用における教育費(学校教育、学校以外の教育、習いごと、けいこごとを含む)の割合は、前回調査では微減から微増に転じたが、今回の調査ではほぼ横ばいの37.5%となっている。
【子どもの安心・安全】(報告書10・12ページ参照)
子どものセキュリティ対策コストは現状で平均年間5,186円。今後の意向では17,151円。小学生の防犯用ブザー等の使用率は約8割。
- 子どもを取り巻く社会環境に、99%の母親が「不安」を感じている。
- 現状の対策としては、「防犯用ブザー等の警報機」「塾や学校の送り迎え」「光る素材のものを身につけさせる」。
- 今後行いたい対策は、「防犯用ブザー等の警報機」「塾や学校の送り迎え」「光る素材のものを身につけさせる」「GPSを用いたサービスの活用」「護身術」等。
- 現状、ほとんど対策のとられていない「乳幼児」「未就学児」に対して、今後の対策意向が強い。「乳幼児」に対しては、今後平均26,000円を超える対策コストを支出する意向で、特に高い金額。
【子育て費用に対する祖父母の関与】(報告書13ページ参照)
約8割の家庭で、祖父母から経済的な子育て支援。援助額は年間平均で167,053円。
- 援助のあった項目は「おこづかい・現金の金銭援助」(89.9%)、「衣類、靴、カバン等身の回り品での物品援助」(52.5%)、「おもちゃでの物品援助」(50.7%)、「衣類、靴、カバン等身の回り品での金銭援助」(37.1%)等が多い。
- 援助額では「学校教育での金銭援助」(平均:297,237円)、「子どものための預貯金」(平均:250,526円)、「子どものための保険」(平均:204,295円)、「学校教育以外の教育や補習での金銭援助」(平均:194,214円)、「習いごと、けいこごとでの金銭援助」(平均:114,952円)等、教育関係や保険が高い。
【子育て費用に関する祖父母以外の親戚の関与】(報告書14ページ参照)
おじさん、おばさんの協力は年間で平均23,604円。
- 祖父母以外の親戚に子どもの必要なものを買ってもらうか聞くと、36.1%が「買ってもらう」と回答。
- 金銭と物品を合わせた合計の平均は回答者全員ベース(0円回答含む)で23,604円、0円を除いて実際に援助のあった人ベースでの平均は34,155円となる。
- 最もよく援助をしてくれる人としては、「おばさん(既婚者)」(29.7%)が最も高く、次いで「おじさん(既婚者)」(13.4%)「おばさん(独身者)」(9.6%)と続いており、独身者(女性に限らない)が親戚の子育てに積極的に参加しているケースが見られた。
|
|