野村證券株式会社 プレスリリース

平成15年10月16日
関 係 各 位
野村證券株式会社


『第8回 家計と子育て費用調査』(エンジェル係数調査)(607KB)PDF
『第2回 家庭での経済教育に関する調査』(247KB)PDF


高校生以下の子供を持つ首都圏・京阪神700世帯の主婦を
対象にしたアンケート

『第8回 家計と子育て費用調査』
(エンジェル係数調査)


暮し向きは「悪くなっている」が、60.2%で、前回調査より10ポイント悪化。

不景気感を受けて、倹約をしているものが「かなり」「多数」合せて84.9%。倹約指向も大きく上昇している。

エンジェル係数(家計支出に占める子育て費用の割合)は、過去最低の28.4%

同様のサンプリング方法となった91年調査以降最低。93年をピークとして減少したのち、97年以降はほぼ一定だったが、今回の調査では再び低落。

主婦の子育て時間はやや減少。夫が子育てにかける時間は微増である。

主婦本人は平日で6時間25分(前回調査より41分減少)、休日で8時間12分(33分減少)、夫は平日1時間23分(10分増加)、休日5時間30分(15分減少)となっている。夫はあまり変化がないが、主婦は微減傾向である。

祖父母の経済援助は年間で平均13万2千円。月額換算で1万1千円となる。

祖父母の援助はお年玉やプレゼントなど不定期なものが多いが、世帯あたりの子育て支出は月額平均7万3千円であり、年間を通じて考えれば子育て支出の1割を超える援助を受けていることになる。


第8回 家計と子育て費用調査

生活水準の向上に伴い「エンゲル係数」(消費支出に占める食費の割合)は、年々減少しています。その一方で、子育てにかかる費用は学校、塾、習い事や将来のための預貯金など多岐にわたるようになり、その額も93年まで上昇傾向にありましたが、その後は、景気の低迷の影響を受け下落に転じました。子育て費用は景気と家計の関係を計る上で重要な指標になります。

今回で第8回となる本調査は、野村證券が89年(平成元年)より隔年で継続実施しているものです。家計と子育てを継続的に見る視点として「家計支出に占める子育て費用の割合」=「エンジェル係数」という造語を打ち出し、過去15年間にわたり、子育てという観点から家計の現状、経済事情を定量的に捉えたユニークな調査として各方面から注目されてきました。当初はなじみのなかった「エンジェル係数」という造語も、次第に定着し、用語辞典に収録され、時事・報道の場でも一般的に使われるようになってきました。

本年の調査では、エンジェル係数が、同様のサンプリング方式を採用した1991年調査以降最低になるなど、世相を反映した結果が出ています。
また、少子高齢化社会を見据えて「祖父母の世代の子育て協力度」という視点を加え、より立体的に家計と子育てを見る内容としております。

調査は、2003年7月に首都圏と京阪神に住む高校生以下の子供を持つ700世帯の主婦(首都圏350世帯、京阪神350世帯)を対象にアンケート形式で行いました。

項目ごとに結果を要約すると、以下のようになります。


子育て費用の現状と動向
エンジェル係数は、1989年の第1回調査から93年調査でピークに達し(33.4%)、これ以降低落傾向にある。97年(30.2%)以降はほぼ横ばい状態が続いていたが、今回の調査では再び下降し、同様のサンプリング方式となった91年(第2回)調査以降最低を記録した。エンジェル係数の低下が目立つのは第1子年齢が小学校低学年以下で、主婦年代は20代であり、特に若い世代の家庭である。子育て支出はもっとも倹約したくない項目であることは今回の調査でも変わらなかったが、若い世代の家庭においては、倹約の必要性が子育てという「聖域」にも及んでいる実態が浮き彫りになった。

■暮し向きは「悪くなっている」が、60.2%で、前回調査より10ポイント悪化。
「かなり倹約している」も8ポイント増加で家計悪化が明確に。
景気が「悪くなっている」と感じる主婦は70.9%で前回調査(01年)比で、4ポイント増加。
これに対して実際の家計状況を聞く「暮し向き」については、「悪くなっている」が10ポイント増加の60.2%。いわば「我が家の不景気感」が大きく上昇している。
不景気感を受けて、倹約をしているものが「かなり」「多数」合せて84.9%。倹約指向も大きく上昇している。
■65.1%が負担感を持っており過去最高水準。子育て費用は「増やしたくても増やせない」状態。
「かなり負担」「やや負担」を合わせると65.1%が負担を感じている。前回調査時には、同様の回答が約10%増加していたが、今回はほぼ横ばいである。
一方で、子育て費用が「増えている」と答えた主婦は、前回より約9%減少している。負担感の高止まりと過去最低のエンジェル係数を考え合わせると、子育て費用はすでに「増やしたくても増やせない」状態であると推測される。
■エンジェル係数は過去最低の28.4%。子育て費用における教育費の割合は、前回より増加して37.7%。
家計支出平均は月額27.3万円、子供のための家計支出平均は7.8万円だった。
エンジェル係数(家計支出に占める子育て費用の割合)は28.4%で、同様のサンプリング方法で調査をはじめた1991年以降最低。
子育て費用における教育費(学校教育、学校以外の教育、習い事、けいこ事を含む)の割合は頭打ちもしくは若干減少の傾向が続いていたが、今回調査では増加に転じ37.7%となっている。
■主婦の子育て時間はやや減少。夫が子育てにかける時間は微増である。
主婦本人は平日で6時間25分、休日で8時間12分、夫は平日1時間23分、休日5時間30分となっている。夫はほぼ変化がないが、主婦は微減傾向である。
理由としては、不景気/教育費用負担増加によって、主婦のパート・アルバイトを含めた有職率の上昇や学童保育、延長保育や塾などを含めた家庭外教育施設の拡大・充実化などが推定される。


家計への祖父母の協力度
今回の調査で特に注目されるのは、祖父母の世代の子育てへの経済面での関与である。主婦に聞いた「祖父母からの経済的援助への期待」は、孫のための費用に集中していること、また実態としては、その額が平均で子育て支出の1割以上に相当する額となっていることがわかった。今後の高齢化社会、とりわけ団塊シニアの時代に移行するにしたがって、この傾向は顕著になってくることも予想され、シニア世代が「子育て家計」の構成者として新たに浮上してくる可能性がある。

■祖父母に経済的援助を期待する家庭のほとんどが、その内容を「子供のための費用」と回答。
家計全般で祖父母に期待している面について複数回答を取ったところ、「子供のための費用で期待している」との回答がダントツで1位。ほぼ半数の48.9%であった。「金銭的な援助を期待していない」との回答がやはり5割近い47.6%であったことから、祖父母からの経済的援助は、まず孫に対して行われるのが普通であることがわかる。
主婦が祖父母に期待する内容としては、「お年玉、おこづかい」「衣類、靴、カバンなどの身の回り品」「おもちゃ」に加え、高額商品購入なども上位にあがっている。
不景気感を受けて、倹約をしているものが「かなり」「多数」合せて84.9%。倹約指向も大きく上昇している。
■祖父母の経済援助は年間で平均13万2千円。月額換算で1万1千円となる。子供のための預貯金、保険などへの協力も目立つ。
今回の調査では、子供のために祖父母が支出した金額について、主婦に対して聞いた。おもちゃや身の回り品など物品でプレゼントされるものも金額換算して平均化すると、年額で13.2万円となった。月額換算で1.1万円となる。一方、世帯あたりの子育て支出は月額平均7.3万円である。
祖父母の援助はお年玉やプレゼントなど不定期なものが多いが、年間を通じて考えれば子育て支出の1割を超える援助を受けていることになる。また、「子供のための預貯金」「保険」が、「おもちゃ」や「遊び、レジャー」を上回るレベルで援助されているのも注目される。


高校生以下の子供を持つ首都圏・京阪神700世帯の主婦を
対象にしたアンケート

『第2回 家庭での経済教育に関する調査』

9割が経済について話したいと思っているが、実際に話しているのは6割。

現在、家庭内で子どもとお金や経済の話は59.7%が話していると回答。一方で今後については93.4%が話していきたいという意向を持っている。現状とのギャップは30ポイント以上あり、家庭内経済教育が不充分と感じる親が多いことが分かる。
また、92.9%が経済教育の必要性を感じているが、「充分」との回答は20.0%に過ぎない。必要性と現状の満足感には大きなギャップが見られる。

「こづかいのルール」「子育て費用」など身近なことから話している。

現在お金や経済について話している内容は、1位「子どものこづかいのルール」、2位「子育て費用」、3位「最近の親の仕事や会社の状況」
今後お金や経済について話したい内容は、1位「子どものこづかいのルール」、2位「子育て費用」、3位「お金の貸し借り」

「家庭」を中心にした経済教育が妥当とする者が62.3%。

経済教育の考え方として、重視すべき教育ステージとして「家庭」「学校」「学校外のプロ」の三者でどれを重視するか聞くと(複数回答)、「家庭」が62.3%でトップとなる。一方で自然と身につくのであえて教育の必要はないとする意見も19.4%見られる。



第2回 家庭での経済教育に関する調査

長引く不況を背景に、個人の生活意識に大きな変化が起きています。国の年金制度への不安が増し、雇用形態も多様化しつつある現在、老後の生活をも見据えたライフプランへの意識、自分の生活は自分で考えていこうという意識が急速に高まっています。

一方、金融の自由化を受けて金融、証券の個人向け商品も充実してきており、個人の資産運用も多様な時代に入ってきました。また多くの個人投資家の参画によって、健全な投資環境を形成する証券市場の重要性がより広く認識されるようになりました。「自己責任の時代」といわれるようになってから久しい昨今、資産の運用にはリスクとリターンを理解し、自分自身で判断することの大切さを多くの人が認識する時代になったといえます。こうした時代にあって、家庭の中で、改めて経済に関する知識の重要性を意識する機会も増えてきているのではないでしょうか。

本調査では、このような状況を背景として、子育ての中で経済教育をどのように考えているかを知るために、2003年7月に高校生以下の子供を持つ首都圏・京阪神700世帯(首都圏350世帯、京阪神350世帯)の主婦を対象にしたアンケート調査を行いました。

なお、本調査は、これまで隔年で計8回実施している「家計と子育て費用調査(エンジェル係数調査)」のアンケートの一部として行われ、別途集計と分析を加えてまとめたもので、今回で2回目の調査となります。 項目ごとに結果を要約すると、以下のようになります。


経済教育の現状と今後の意向
家庭内での経済教育について93.4%の主婦が行いたいと考えているが、実際に行っている者は59.7%に留まり、理想と現実には30ポイント以上の開きがある。さらに、家庭内経済教育は92.9%が必要と考えているのに対して、実態として充分と思えるほど行っているものは20.0%と少なく、この間には70ポイント以上のギャップがある。多くの一般家庭では、経済教育を「しなければ(あるいはしたい)」と考えているが「できていない」実態が浮き彫りになった。前回調査と比較してもその傾向はより顕著になっていると言えよう。

■経済教育の頻度
現状
「頻繁に話している」11.1%、「たまに話している」48.6%、合わせて59.7%と6割程度が家庭内で子どもとお金や経済について話している。
子どもが大きくなるにつれ(主婦年齢が上がるにつれ)話す頻度は高まる傾向。また低所得者層よりも高所得者層の方が話している傾向は強い。
今後の意向
「頻繁に話していきたい」14.4%、「たまには話していきたい」79.0%、合わせて93.4%と、9割以上が今後家庭内で子どもとお金や経済のことを話していきたいと考えている。
全体に話していきたい意向は強いが、特に子どもが中学生の30代主婦などでその意向は強い。
■経済教育の内容
現状
話している家庭をベースに、何を話しているか聞くと、
「子どものこづかいのルール」(68.2%)
「子育て費用」(66.7%)
「親の仕事や会社の状況」(37.1%)
「お金の貸し借り」(30.9%)
「家計の収入と支出」(30.4%)等。
今後
話していきたい家庭をベースに、何を話したいか聞くと、
「子どものこづかいのルール」(82.1%)
「子育て費用」(54.1%)
「お金の貸し借り」(38.8%)
「親の仕事や会社の状況」(34.7%)
「家計の収入と支出」(32.9%)等。
■経済教育の必要性と満足度
必要性
「かなり必要だ」42.1%、「やや必要だ」50.8%、合わせて92.9%と、9割以上が必要性を感じている。
全体に必要性を感じているが、特に子どもが中学生の40代主婦層や未就学児の親が強く必要性を感じている。
満足度
不充分と考えているのは「やや不充分」「かなり不充分」合わせて31.1%である。一方、充分と考えているのは「かなり充分だ」「まあまあ充分だ」合わせて20.0%に過ぎない。
主婦年齢が上がるにつれ「充分」も増えるが、「不充分」はそれ以上に増える傾向がある。
前回調査に比べ「充分」は若干増加の傾向。


経済教育の考え方
前述のような「理想と現実のギャップ」を埋めるために、どのような経済教育があるべきかを聞いた。こうした教育は、現状では学校教育に期待するよりも、家庭中心で行いたいとの回答が多く、これを支援するためのプログラムが求められている。

■経済教育の考え方
「家庭」「学校」「学校以外のプロ」の3つのステージにおいては、「家庭」が中心に経済教育を行った方がいいと考える人が62.3%で最も多い。
低所得者層においては、「学校」での教育を望む声も高い(300万円未満の世帯で40.0%)。
■必要な支援
「テレビ番組での情報提供」(54.6%)や「親子で参加するセミナーやイベント」(45.6%)「学校での専門カリキュラム」(29.9%)といった施策を望む声は多い。
子どもが小さいうちは、「親子で参加できるセミナーやイベント」への興味が高い。
経済教育といってもそのきっかけは「こづかいのルール」「子育ての費用」「お金の貸し借り」「親の仕事」といった身近な題材を求めており、支援施策を展開するにあたっても、大上段なテーマよりもこうした生活に根ざした具体例からのアプローチが効果的と推測できる。

以上

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