コンプライアンス

野村グループでは、コンプライアンス・リスク管理の徹底を経営の最重要課題の一つと位置づけています。「コンプライアンス・リスク」とは法令諸規則の違反や、金融資本市場の公正性・公平性の阻害や顧客の保護を損なう不適切な行動により、制裁金等の財務的損失若しくは評判の悪化を被るリスクをいい、その中には野村グループの役職員の行動・行為が法令諸規則、若しくは野村グループ行動規範又は規程・手続から逸脱する「コンダクト・リスク」も含みます。野村グループでは、法令遵守にとどまらず、金融サービスグループの役職員として社会から求められる規範・倫理に沿った良識に基づいて行動し、社会が期待する役割に応えることを「コンプライアンス」と定めています。

基本方針

野村グループでは、日々の業務執行においてコンプライアンス・リスク管理を実践するための体制や枠組みをまとめた「グループ・コンプライアンス・リスク管理規程」、「野村グループ・コンダクト・リスク管理規程」を定めています。さらに野村グループの共通の価値観である「挑戦」「協働」「誠実」を具体的な行動に移すための指針として「野村グループ行動規範」を策定し、適正な行動規範の浸透のために「野村グループ・コンダクト・プログラム」に基づくさまざまな取組みを行っています。また「三つの防衛線」によるリスク管理体制に基づき、コンプライアンス・リスクにおける責任の担い手およびその行動の基本的要件を定め、野村グループの適切なリスク管理を実践しています。

コンプライアンス体制

野村グループの各社・各部署では法令諸規則の遵守を徹底し、違反の疑いがある行為が発生しないよう、十分な管理体制を整備のうえ、業務運営を行っています。また、万一、問題が発生した場合には、経営レベルにまで迅速に報告され、適切に対処する組織体制を構築・整備しています。

イメージ図:コンプライアンス体制

野村グループのコンプライアンス体制の責任者としてコンプライアンス統括責任者を選任しています。また、各社および海外各地域にコンプライアンス責任者を設けています。コンプライアンス統括責任者は、統括部署であるグループ・コンプライアンス部への指示等を通じて、各社および海外各地域のコンプライアンス責任者と連携し、グローバルなビジネス展開に対応した内部管理体制の整備・維持を図っています。

野村グループでは、執行側の会議体として「野村グループ・コンダクト委員会」を設置し、コンプライアンス・リスク管理に関する体制整備や重要事項の審議、各種施策の推進、モニタリングを通じたプログラムの有効性の検証などを行っています。野村グループ・コンダクト委員会で審議された事項については、経営会議に報告されるとともに、定期的に取締役会にも報告されています。「野村グループ・コンダクト・リスク管理規程」が遵守され、「野村グループ・コンダクト・プログラム」に基づく取り組みが適切に行われるよう、執行側と監督側の両面から管理しています。

コンプライアンス・リスク管理体制の強化

野村グループでは、コンプライアンスを単なる法令遵守にとどまらず、金融サービスグループの役職員として社会から求められる規範・倫理に沿った良識に基づいて行動することであると考え、より高いレベルでのコンプライアンス・リスク管理の実現に向け、その内部管理体制のさらなる強化に取り組んでいます。

なお、金融資本市場の信頼を失墜させる行為や当社の信用・財務に多大な影響を及ぼす重大な法令違反が発生した場合には、調査のうえ、ホームページ等を通じ、速やかに公表します。

コンプライアンスおよびコンダクトに係る研修等の実施

野村グループでは、役職員に対し、コンダクト、人権課題(ハラスメントを含む)、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策、利益相反管理、インサイダー取引防止、ファイアーウォール規制の遵守、顧客情報管理の徹底などのテーマで、コンプライアンスおよびコンダクトに関わるトレーニングを計画的に実施し、役職員の法令諸規則に関する知識水準の向上と、コンプライアンス意識の高揚を図り、適正なビジネス・コンダクトを追求する企業風土を醸成するよう努めています。

野村證券の主な取り組み

  • 営業責任者、内部管理責任者、内部管理部門社員に対する研修および外務員の資質の向上のための研修
  • 支店長、ウェルス・マネジメント・コンプライアンス課長、新入者、新任者などへのコンプライアンスに関する知識習得・理解度向上のための研修
  • 各種研修・会議における場を利用したコンプライアンスに関する教育・訓練の充実
  • 業務管理者研修
  • 営業部店におけるコンプライアンスアワーの実施
  • コンダクト研修
  • 人権啓発に関する研修

社員一人ひとりに至るまでコンプライアンスを徹底し浸透を図るため、野村證券の営業部店を対象に原則として毎月1回開催されるコンプライアンスに関する講習を開催しています。

内部通報制度

野村グループは、「野村グループ 内部通報に関する管理方針」および「野村グループ・コンプライアンス・ホットライン運営規程」に基づく内部通報制度(ホットライン)を整備しており、すべての役職員(派遣社員、退職後1年以内の元社員等を含む)に対して、法令違反の疑いがある行為や、「野村グループ行動規範」に反する行為、会計または会計監査に関する疑わしい行為などに気づいた場合、その情報を直接報告・通報できる手段を提供しています。また、社内イントラネットやマネジメントメッセージ等を通じて、ホットラインの周知・利用促進を図り、おかしいと感じたら誰もが「声をあげる」ことができる組織風土の醸成に取り組んでいます。

ホットラインへの通報は、匿名でも受け付けており、情報が寄せられた際には通報者保護や秘密厳守に細心の注意を払いつつ、通報受領者の指揮のもと必要な調査を行います。調査を経て問題が認められた場合には、適切な是正措置を講ずるとともに、情報提供者や調査協力者が、報復行為等の不利益な取り扱いを受けないように徹底しています。

調査結果や調査結果に基づく是正措置等を含むホットラインの運営状況は、野村ホールディングス内部統制委員会に四半期ごとに報告され、年次の社内アセスメントも実施しています。重大な法令違反の疑義がある事項については、速やかに監査委員会に報告することが定められており、法令遵守体制の維持および実効性の確保に努めています。

2024年3月期のグローバルにおける内部通報件数と、その内訳は以下の通りです。なお、受け付けたすべての通報事項について必要な調査を実施し、適切に対応しています。

イメージ図:2024年3月期のグローバルにおける内部通報件数

ご参考:野村グループ・コンプライアンス・ホットライン

国内グループ会社向けには、「野村グループ・コンプライアンス・ホットライン」を設置しています。専門の外部業者が提供する通報受付窓口の利用により、匿名性が担保され、社外・社内の通報受領者の選択も可能です。専用Webでは24時間通報できます。

イメージ図:コンプライアンス・ホットラインのフロー

顧客保護と情報セキュリティ

野村グループでは、金融商品取引法および個人情報保護法などの法令諸規則に従い、顧客資産および情報資産を適切に保護しています。

顧客資産の適正な分別管理

野村證券では、適切な分別管理体制を構築しており、お客様の資産と野村證券自身が保有する資産について、分別管理を適正に行っています。

野村證券ではEY新日本有限責任監査法人に、日本公認会計士協会が定める保証実務指針3802 「金融商品取引業者における顧客資産の分別管理の法令遵守に関する保証業務に関する実務指針」に準拠した保証業務の実施を依頼しています。当該監査法人より、2023年3月31日現在において、法令を遵守して顧客資産を分別管理していたという経営報告書における経営者の主張が、全ての重要な点において法令並びに日本証券業協会の分別管理実施規則及び日本STO協会の分別管理実施規則に準拠して記載されているものと認めるとの保証報告書を受領しています。

野村の分別管理(野村證券 ホームページ)

情報資産・個人情報の適切な保護

野村グループでは、事業活動のためにお客様からお預かりした情報資産を適切に管理することが、お客様や株主のみなさまなどとの信頼構築の基本であると認識しています。

野村グループでは、情報セキュリティに関する基本原則として「野村グループ情報セキュリティ基本方針」を定め、情報資産の適切な保護を図っています。この基本方針に則り、グループ各社はそれぞれ情報セキュリティ関連規程を整備しています。さらに、各社の事業活動の特性などに応じて、お客様にご提供する情報などについても管理策の充実に努めています。特に、お客様の個人情報については、個人情報保護法など関連法令の遵守に加え、「野村グループ個人情報保護方針」等に則り、野村グループの役職員による厳格な取り扱いを徹底しています。ご提供いただいた個人情報は利用目的の範囲内で取り扱われ、必要な範囲内でのみ一定期間保持されます。

加えて、個人情報等を外部委託先に取り扱わせる場合には、「野村グループ 個人情報保護方針」及び「野村グループ・ベンダー・リスク管理基準」に基づき、契約前に顧客情報等の機密データの漏洩防止体制を確認し、契約後もその委託先において個人情報保護が図られているかについて責任をもって監督することとしています。また、「野村グループ個人情報保護方針」では、本人の求めにより、開示、訂正、利用停止など(利用の停止又は消去)を法令に則り行うことを記載しており、各社ごと手続きを定めています。個人情報等の流出、不正利用の防止や情報セキュリティ向上のために、役員・社員等に対して入社時や毎年定期的に実施する研修の充実化を図り、継続的に教育を実施しています。

野村證券では、マイナンバーを含む個人情報の保護を徹底するため、各部署に情報管理責任者と点検責任者を任命し、下記の具体的な取り組みを行っています。また、外部委託において、当社が委託した業務以外の目的に利用されることがないこと、確約・表明書等に係る管理措置により委託先において安全管理のための十分な措置が講じられていること、当社からの取得情報の管理に関して改善すべき点があると指摘があった場合には速やかに改善を行うこと等を定めています。外部委託先に取り扱わせる業務やその目的は個人情報保護方針にて公表しています。

  • 退社時の個人情報管理体制の確認
  • 個人情報を含む電子ファイルの管理措置
  • 個人情報取扱台帳に係る管理措置
  • 外部委託先からの確約・表明書等に係る管理措置
  • 顧客情報の社外持ち出しに係る管理措置
  • 開示請求への対応に係る管理措置
  • 情報管理に関する研修等の実施
  • ID/パスワードの管理
  • 社外メール管理・情報端末管理
  • 外部記録媒体の利用管理
  • FAXにて提供する情報の管理
  • 深夜・休日アクセスログの確認

情報セキュリティ管理体制

野村證券は、「情報セキュリティ管理規程」に基づいて、役員の中から「情報セキュリティ統括責任者」を選任しています。情報セキュリティ統括責任者は個人情報保護委員会・金融庁が定めた「金融分野における個人情報保護に関するガイドラインの安全管理措置などについての実務指針」に規定する「個人データ管理責任者」としての責務を負っており、情報セキュリティの確保に努めています。適切な情報資産の取り扱いや情報セキュリティを確保するため、各部室店での点検に加えて金融分野ガイドライン実務指針に定める「監査担当者」による検査、内部監査を実施しています。情報資産の不正利用、改ざん、破壊、漏洩及び紛失等、情報資産の取扱いに不正が発生した場合は、速やかに関連部署に報告が行われ、再発防止策等の是正措置を行います。

また、野村ホールディングス、野村證券、野村アセットマネジメント、野村信託銀行などでは、全部店長を「情報管理責任者」として任命しています。情報管理責任者は「個人データ管理者」としての責務を負っており、各部店における情報セキュリティの適切な確保、情報資産の取り扱いなどの管理、社員等に対する適切な助言や指導を行っています。

オンラインサービスにおけるセキュリティ対策

野村グループでは、幅広いお客様の多様なニーズにお応えするため、インターネットを通じてさまざまなサービスを提供しています。これらのサービスでは、高度な暗号化技術を採用することで、お客様の重要な情報を保護しています。また、最近その脅威が増しているサイバー攻撃などによる外部からの不正アクセスや情報の漏洩を防止するための対策として、社内システムの監視強化や対策システムの導入などに努めています。

高品質な金融サービスの提供

野村グループでは、最も信頼されるパートナーとして、高度な専門性を発揮し、お客様にとっての最善のサービスを提供するという観点から、金融商品取引業者向けの監督指針なども踏まえて、お客様に提供する各種金融商品およびサービスに関して、以下の取り組みを通じ、品質の向上を図っています。

野村證券の主な取り組み

  • 内部管理責任者、業務管理者などの責任者を設置し、コンプライアンスおよび業務の適正性が遵守される体制の構築
  • 口座開設時の審査および有価証券引受時の審査の徹底
  • 商品の内容についての十分な精査、正確かつわかりやすい情報提供の実施
  • お客様の金融商品に関する知識や、財産の状況などを総合的に勘案したうえで、金融商品取引法をはじめ各業務に応じた法令諸規則を遵守した商品勧誘の実施
  • ご高齢のお客様に勧誘を行う場合のガイドラインの制定と、当該ガイドラインが遵守される体制の構築
  • コンプライアンス研修を通じた法令諸規則および社内ルールの徹底

グローバルな金融犯罪対策の取り組み

野村グループは、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策を実施し、贈収賄を防止し、また、反社会的勢力または団体との一切の取引および経済制裁対象者との間で各国法等に基づき禁止される取引を行わないものとしています。

マネー・ローンダリング・テロ資金供与対策(AML/CFT)

野村グループ行動規範において、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策(AML/CFT)に関しても、犯罪収益の金融資本市場への流入やテロリストへの資金供与を防ぐために高いレベルの管理体制をもってこれを防ぐことを基本方針としています。さらに、AML/CFTに係るグローバルな方針として「野村グループ・マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策方針」を制定し、各地域・グループ会社で遵守すべき基本方針を定めています。また、顧客管理、経済制裁対応といった特に重要な分野については、グループ全体に共通して適用される具体的な基準を設けています。野村グループでは、各国の法令諸規則を遵守し、金融活動作業部会(FATF)が定める勧告など国際的な規制動向にも注視しながら、グループ全体で一貫したAML/CFT管理態勢の強化を図っています。

野村グループのAML/CFTの最高責任者であり、AML/CFT管理態勢を整備し、その実効性を維持する責任者としてグループAML/CFT統括責任者を選任しています。また、効果的なAML/CFT管理態勢を構築・維持するため、グループ・コンプライアンス部に金融犯罪対策課を設置しグループAML/CFT統括責任者の補佐を行っています。野村グループ各社はAML/CFT管理態勢に責任を負うマネー・ローンダリング対策コンプライアンス・オフィサーを設置しています。野村證券では各部店にAML責任者を設置し、所属する部店内におけるAML/CFTの責任者としてAML/CFTに係る管理態勢の推進の企画・実行を行っています。

イメージ図:マネー・ローンダリング・テロ資金供与対策(AML/CFT)
  • グループAML/CFT統括責任者:野村グループのAML/CFT管理態勢を整備し、実効性を維持する最高責任者
  • グループ・コンプライアンス部金融犯罪対策課:グループAML/CFT統括責任者を補佐し、効果的なAML/CFT管理態勢を構築・維持
  • マネー・ローンダリング対策コンプライアンス・オフィサー:野村グループ各社のAML/CFT管理態勢の責任者
  • AML責任者(野村證券の各部店に設置):AML/CFTに係る管理態勢の推進の企画・実行

マネー・ローンダリング等の防止に向けた具体的な対策

野村證券では、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」およびリスクベース・アプローチに基づく野村證券のリスク分析結果をふまえ、取引開始時に、個人の場合は、本人特定事項として氏名・住所・生年月日、取引目的、職業等を、法人の場合は、名称・本店または主たる事務所の所在地、取引目的、事業内容、実質的支配者等の法令上求められる確認事項に加えて、当該取引に係るリスクに応じた、追加的な確認や上級管理職による承認手続きを定めています。なお、オンラインで契約するお客様に関しては、リスク軽減措置として追加的な本人確認を行っています。

また、リスクベースの考えをふまえ、外国PEPs(Politically Exposed Persons)やマネー・ローンダリングの行われるリスクが高いと指定されている国に居住しているお客様との取引など、高リスクの取引については厳格な顧客管理を行っています。

海外拠点においても、お客様の本人確認、疑わしい取引の届出、高リスクの取引の厳格な管理などの施策を通して、リスクベースの考えをふまえたマネー・ローンダリング・テロ資金供与対策を講じるなど、不公正取引の防止に取り組んでいます。

なお、これらの取引に際して確認した事項および売買審査に関する記録等のAML/CFTに関する文書は、各地域の方針及び手順に基づき保持されています(日本国内は原則として7年間)。

また、リスクアセスメント手法を用い策定された監査計画に従い、定期的に、内部の監査部署がマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関する検証や遵守状況の確認を行います。

野村グループ・マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策方針
(概要)

野村グループは、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策(AML/CFT)に向けた取り組みのため、野村グループが事業を行う法域で適用ある全てのAML/CFT 関連の法令諸規則に準拠するよう、野村グループ・マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策方針を策定する。

AML/CFT 管理態勢
グループAML/CFT 統括責任者は、コンプライアンス統括責任者が務め、野村グループにおけるAML/CFT 管理態勢に責任を負う。グループAML/CFT 統括責任者は、野村グループにおけるAML/CFT の管理状況について定期的に経営会議に報告を行う。

疑わしい取引の監視・報告
適用あるAML/CFT 関連の法令諸規則に従って、疑わしい取引の監視・調査・報告に関する規程、手続を策定する。疑わしい取引が検知された場合、マネー・ローンダリング対策コンプライアンス・オフィサーへ適時に報告しなければならない。

マネー・ローンダリング及びテロ資金供与リスクへの対応

  • マネー・ローンダリング及びテロ資金供与リスク評価及び分析
  • マネー・ローンダリング及びテロ資金供与リスクが高い場合の対応
  • 顧客管理(カスタマー・デュー・ディリジェンス)プログラム
  • サンクション・プログラム

トレーニング
役員及び社員のAML/CFT に対する認識及び資質の維持・向上を目的として、AML/CFT に関する研修プログラムを策定・実施する。

記録の保持
適用あるAML/CFT 関連の法令諸規則に従って定められた期間、必要な顧客確認記録を全て保持する。

検証及び確認
AML/CFT 施策に対する検証及びその遵守状況の確認は、外部監査人又はかかる業務を担当する部署によって行われる。これらの検証及び確認は、AML/CFT に関係する部署とは独立した者が定期的に実施する。

方針の改廃
AML/CFT方針を定期的に見直し、必要に応じて改廃する。本方針の改廃は経営会議の決議による。

(2019年5月制定)

反社会的勢力との取引の排除

野村グループでは、反社会的勢力との取引を排除するため、全役職員が遵守すべき指針である「野村グループ行動規範」の中で、反社会的勢力または団体との取引の遮断について定めており、反社会的勢力との関係を一切遮断することを基本方針としています。

贈収賄・腐敗行為の防止

野村グループは、「野村グループ行動規範」において、全役職員に対して適用されるすべての法令諸規則と、その趣旨を正しく理解し遵守すべきことを規定していますが、これには贈賄や脱税を規制する法令も含まれています。

野村グループは、経営会議の承認により、グローバルなポリシーとして「野村グループ贈収賄・腐敗行為防止方針」を策定し、各地域・グループ会社で遵守すべき基本方針を定めています。各国の法令諸規則を遵守し、コンプライアンス統括責任者 (CCO)のもと、グループ全体で一貫した贈収賄等防止の管理態勢の強化を図っています。贈賄を含む法令違反の疑いのある行為や「野村グループ行動規範」に反する行為等は、「野村グループ・コンプライアンス・ホットライン」の通報対象としています。

野村證券においては、公務員等、社外との交流について「社外との交流に関するガイドライン」を定め、周知徹底を図ることで、贈収賄・腐敗行為を防止し、公正な取引が行われるよう努めています。

具体的には

  • 公務員等を相手方とする会食・贈答等は、あらかじめ適用される法令諸規則に照らして許容可能かどうかを確認することとしています。
  • 当該ガイドラインの周知徹底のため、役職員に対して定期的に研修を実施しています。
  • 交際費が適切に利用されていることを確認するため、交際費の使用状況のモニタリングを実施しています。
  • 内部監査部門は、贈収賄・腐敗行為の防止にかかる内部統制の有効性及び運用の妥当性の観点から調査ならびに評価を定期的に行い、その結果にもとづいて業務改善の勧告、提言等を行っています。
  • 各地域・グループ会社においても、公務員等を相手方とする会食・贈答等について、不公正あるいは疑わしい取引が行われないように報告・承認の手続きを定めています。

贈収賄・腐敗行為防止に向けた取り組み

  • 法令順守と社内規程の周知徹底、定期的な研修の実施
  • 「野村グループ贈収賄・腐敗行為防止方針」、関連規則や社外との交流に関するガイドライン等を整備。贈収賄・腐敗行為となる各種行為の禁止、研修、モニタリングの実施、報告および記録の保持等を規定

野村グループ 贈収賄・腐敗行為防止方針
(概要)

野村グループは、贈収賄および腐敗行為防止に向けた取り組みのため、野村グループ贈収賄・腐敗行為防止方針を策定する。本方針は、リスクベースに基づく野村グループの贈収賄および腐敗行為防止の方針を定めるものである。

管理態勢
コンプライアンス統括責任者 (CCO) は、野村グループにおける贈収賄・腐敗行為防止管理態勢の構築に責任を負う。

贈収賄・腐敗行為の禁止
野村グループは、野村グループ各社の業務に関し、直接・間接を問わず、野村グループの役職員による贈収賄・腐敗行為を禁止する。

「贈収賄・腐敗行為」とは、(1)不正に影響を及ぼすか、又は不正に利益を得ることを目的として、直接・間接を問わず、価値のあるものの提供、供与、勧誘、受領又はそれらを約束する行為 (2)贈収賄等防止関連の法令諸規則に違反するその他の不正な支払い、リベート、キックバックを含むあらゆる行為をいう。

社外交流
野村グループは、各地域の法制度、社会通念、商慣行等にかんがみ、社外交流(接待、贈答、食事、旅費その他の接遇)を管理するために適切な手続きを定める。野村グループの役職員は、社外交流において、本方針及び適用のある各地域の手続きに従う。

ファシリテーション・ペイメント
野村グループは、公務員等の業務遂行を迅速又は円滑にするための利益供与を禁止する。

寄付・スポンサーシップ・政治献金
野村グループは、贈収賄・腐敗行為となる寄付、スポンサーシップ又は政治献金を行ってはならず、また行うことを合意してはならない。

第三者・仲介者等
野村グループは、ベンダーを含む第三者、紹介者及び仲介者を利用する場合、贈収賄・腐敗行為となる行為を行ってはならない。

モニタリング
野村グループは、役職員による贈収賄・腐敗行為が行われていないかモニタリングするため、適切な管理態勢を構築する。

トレーニング
野村グループは、野村グループの役職員の贈収賄・腐敗行為防止に対する認識及び資質の維持・向上を目的として、研修を実施する。

記録の保持
野村グループは、本方針に基づく承認手続きを行った場合、その記録を保持する。

報告
野村グループの役職員は、野村グループ内で行われた贈収賄・腐敗行為の事実又はこれを疑わせる事実を知った場合、野村グループ各社のコンプライアンス・オフィサーに報告する。

検証および確認
贈収賄・腐敗行為防止に関係する部署から独立した外部監査人又は内部監査を担当する部署が定期的に行う。

なお、2022年度、贈収賄・腐敗防止に関して重大な違反と認められた件数は0件でした。本方針その他関連規程をもとにした懲戒処分は行いませんでした。また、本方針の他関連規程違反に関し、罰金・和解のための諸経費はありませんでした。

インサイダー取引の防止

野村證券では、法令諸規則にもとづき、インサイダー取引関連法令等に違反すること、または違反するおそれがあることを知りながら注文を受託することを禁止しています。また、インサイダー取引の未然防止を図るため、内部者登録カードを整備し、上場会社等の関係者(内部者)からの注文を受注するにあたっては、インサイダー取引に該当しないこと、あるいはインサイダー情報を保有していないことを確認しています。さらに、野村證券では「法人関係情報管理に関する規程」、「公的機関等から取得された非公知の重要な情報の管理に関する規程」を定め、法人関係情報や非公知の重要な情報の管理・報告体制を定めるとともに、法人関係情報、非公知の重要な情報を保有している場合の当該有価証券の勧誘をはじめとした禁止行為を定めています。

利益相反防止に向けた対策

野村グループでは、グループ各社を通じてグローバルに提供する金融サービス取引において利益相反が発生することがないよう、「野村グループ利益相反管理方針」にもとづき、グループ全体として利益相反管理体制を整えています。グループ各社において利益相反を適切に管理する体制を整備するとともに、野村ホールディングスのグループ・コンプライアンス部が利益相反管理統括部署として、野村グループ内の利益相反のおそれの有無について審査し、利益相反のおそれがある場合には防止対策を行うことにより適切に管理しています。

相場操縦等不公正取引の審査

野村證券では、法令諸規則にもとづき、自己および委託取引が相場操縦、作為的相場形成、インサイダー取引等の不公正取引に該当するおそれがないか日々売買審査を行っています。審査の結果、不公正取引の疑いがある取引を行った取引行為者には、ヒアリングや注意喚起を行い、再発のおそれがあると判断した口座で行われる取引は継続的にモニタリングを実施しています。改善が見られない場合には、注文の受託の停止その他の適切な措置を行っています。また、定期的に審査結果を分析し、審査プロセスの有効性や審査システムの健全性を検証して、適切な売買管理態勢の構築・維持に努めています。

野村グループ タックス・ポリシー

「野村グループ タックス・ポリシー」は野村グループの税務における基本方針であり、経営会議の承認を受けています。

会計・会計監査に関する事項でお気づきの点がございましたら、「お問い合わせ」欄を通じて、情報をお寄せください。

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野村グループからの業務を受託されているみなさまへのお願い

野村グループでは、さまざまな業務を外部に委託していますが、社会的使命を果たすために、野村グループから一定の業務を受託されているみなさまにも、「野村グループ行動規範」の趣旨をご理解いただき、遵守いただきますようお願いいたします。

つきましては、下記リンク先より「野村グループ行動規範」をご一読くださいますようお願いいたします。

なお、野村グループ行動規範の趣旨に照らしてお気づきの点がございましたら、「お問い合わせ」欄を通じて、情報をお寄せください。

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