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マッコーリー・グループの米国資産運用会社の全株式取得で合意

2025年4月22日

野村ホールディングス株式会社

野村ホールディングス株式会社(代表執行役社長 グループCEO:奥田健太郎、以下「当社」)は、オーストラリアの金融サービスグループであるMacquarie Group Limited(以下「マッコーリー・グループ」)との間で、同社の米国におけるパブリック・アセットマネジメント事業※1を展開する資産運用会社を有するMacquarie Management Holdings, Inc.(以下「MMHI」)の全株式の買収に合意しました。あわせて、欧州におけるパブリック・アセットマネジメント事業(米国におけるパブリック・アセットマネジメント事業と総称して以下「対象事業」)にかかる株式(Macquarie Investment Management Holdings (Luxembourg) S.à r.l.およびMacquarie Investment Management Holdings (Austria) GmbH)(MMHIと総称して以下「対象会社」)100%を取得(総称して以下「本件取得」)することに合意しましたので、以下のとおりお知らせします。

対象事業は、その前身であるDelaware Investments社(マッコーリー・グループが2010年に買収)の創立(1929年)以来、アクティブ運用において長年の実績を有しています。個人、保険会社、その他機関投資家向けに株式、債券、マルチアセット戦略の投資商品を提供し、運用資産残高(以下「AUM」)は約1,800億米ドルにのぼり、多様な運用能力に加え、その販売ネットワークに強みがあり、米国におけるリテール販売プラットフォームの上位10社のうち9社との間で商品・サービスの販売ネットワークを有しています。また、機関投資家向けには、アセットマネジメント業界においてグローバルに存在感を増す米国の保険会社とのビジネスに加え、運用ニーズの多様化を捉えたビジネスを展開しています。

※1 伝統的資産のアクティブ運用を中心とするアセットマネジメント事業。

1. 本件取得の目的

当社は、戦略分野のひとつであるインベストメント・マネジメント事業のグローバル化および規模拡大をさらに推進していきます。買収完了後、インベストメント・マネジメント部門のAUMは約5,900億米ドルから大幅に拡大し約7,700億米ドルとなり、日本以外のお客様からのAUMが当社全体のAUMの35%以上を占める見込みです。

本件取得は、安定的で高収益なビジネスへの投資であり、当社が掲げる2030年に向けた経営ビジョンである「Reaching for Sustainable Growth」を達成するための戦略的な取組みです。インベストメント・マネジメント部門のグローバルなプレゼンスを向上させ、特に米国におけるプラットフォームの強化、そして「パブリックに加えプライベート領域のさらなる拡大・強化」に繋がるものです。

当社は、以下の施策を通じて、AUMの増大とビジネスの多角化、および、長期的に質の高い運用パフォーマンスの実現を目指します。
• お客様のニーズに対応する新たな運用戦略の開発
• 2023年に対象事業が立ち上げたアクティブETFビジネスの規模拡大
• 販売プラットフォームの拡大に向けた専門人材およびデータ分析の投資
• 対象事業が保有する販売チャネルを通じた、野村グループの幅広い運用商品のお客様への提供

なお、本件取得の完了後も、対象事業の統括責任者である、Shawn Lytle氏が率いる経営陣が対象事業の経営に携わっていきます。

また、当社とマッコーリー・グループは、商品・サービスおよびプラットフォームの活用に向けた協力について基本合意しました。この合意には、当社がMacquarie Asset Management(以下「MAM」)の米国における投資家への販売パートナーとなること、および、米国の富裕層顧客向けのMAMのオルタナティブ・ファンドへのシード投資を行うことが含まれます。

当社とマッコーリー・グループは、両社のお客様への付加価値の向上に繋がるさらなる協業機会を検討することを目的とした共同ワーキンググループを設立します。

<マッコーリー・グループの米国および欧州のパブリック・アセットマネジメント事業について>
マッコーリー・グループは、1929年設立の米国の資産運用会社Delaware Investments社を2010年に買収して米国および欧州のパブリック・アセットマネジメント事業に参入しました。米国でのアクティブ運用オープン・エンド投資信託の運用能力による顧客基盤拡大というオーガニックな成長に加え、2021年のWaddell & Reed社の買収などを通じて事業規模を拡大してきました。2023年にはアクティブETFを立ち上げ、現在、米国で十数種類のETF戦略を運用しています。フィラデルフィアを拠点として700人以上の従業員がおり、米国における強力な顧客(仲介業者や機関投資家)フランチャイズを有しています。

2. 対象事業の内容

(1)対象事業 マッコーリー・グループの米国および欧州の株式、債券、マルチアセット戦略等のパブリック・アセットマネジメント事業
(2)事業拠点 フィラデルフィア、カンザスシティ、ウィーン、ルクセンブルク等
(3)従業員数 約700名
(4)管理報酬(手数料控除後)※2 約7億米ドル※3
(5)運用資産残高※2 約1,800億米ドル
商品の内訳(概算) 株式50%、債券40%、マルチアセット10%
販路の内訳(概算) 個人投資家50%、保険会社35%、その他機関投資家15%
地域別の内訳(概算) 米国90%、米国外10%

※2 買収対象となる事業全体の2024年9月末時点の概算値(未監査)となります。また、管理報酬(手数料控除後)は、2024年9月末時点の年換算値です。
※3 対象事業の管理報酬(手数料控除後)以外の経営成績および財政状態につきましては、守秘義務により非開示です。

3. 本件取得の相手先(MMHIの株式の保有者)の概要※4

(1)名称 Macquarie Affiliated Managers (USA) Inc.
(2)所在地 フィラデルフィア
(3)大株主および持株比率 Macquarie Asset Management Holdings Pty Limitedが間接的に100%保有
(4)当社と当該会社の関係 資本関係 記載すべき該当事項はありません。
人的関係 記載すべき該当事項はありません。
取引関係 記載すべき該当事項はありません。
関連当事者への該当状況 記載すべき該当事項はありません。

※4 本件取得の相手先の総資産および純資産につきましては、守秘義務により非開示です。

4. 本件取得の方法

本件取得は、対象会社株式を当社のグループ会社が譲り受ける方法により行います。なお、対象会社の子会社・資産・負債等の中で、パブリック・アセットマネジメント事業に該当しない資産・負債については、本件取得の実行前に、対象会社から分離される予定です。

5. 取得価額

取得価額 18億米ドル※5 (約2,584億円※6

※5 現金決済です。アドバイザリー費用などの手数料は、必要各国の手続きに係る費用などが未確定のため含まれていません。クロージング時点の対象事業のAUMや運転資本、負債等の状況により取得価額は調整される可能性があります。
※6 1米ドル=143.57円換算。

6. 今後の日程

本件取得は、各国金融当局等からの承認などを前提に、2025年12月末までに完了する予定です。クロージングまで、当社と対象事業はそれぞれが独立して運営されます。

7. 今後の見通し

本件取得による当社連結業績への影響は軽微であると判断していますが、開示すべき事項が今後発生した場合は速やかにお知らせします。

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