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当社元社員の起訴を受けてのお詫びと対応策について
2024年12月3日
野村證券株式会社
2024年10月30日(水)に逮捕された当社元社員(2024年11月6日付ニュースリリース「当社元社員の逮捕について」をご参照ください)が、同年11月20日(水)に広島地方検察庁により起訴されました。
被害に遭われたお客様および関係するすべての皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを重ねて深くお詫び申し上げます。
当社は、お客様の大切なご資産をお預かりする金融機関として、このようなことは二度とあってはならないと重く受け止め、お客様に安心して当社のサービスをご利用いただくために、下記のとおり厳格かつ実効性を高めた対応策を定め、実施を開始いたしました。なお、今回定めた対応策については、第三者の立場からの客観的な視点も踏まえたより深度ある検討を行うという観点から、外部弁護士等の有識者の助言も得ております。
今後、こうした対応策を着実に実行することで、お客様に真に安心して当社のサービスをご利用いただけるよう、全力で信頼回復に努めてまいります。
当社の認識と対応
元社員は2018年4月に当社に新卒入社し、2022年4月より広島支店にて、個人および法人のお客様の資産管理のアドバイスを行う業務に従事していました。
2024年8月2日(金)、元社員から同支店の管理者に対し、お客様のご自宅の火事について警察より放火の疑いをかけられていること、7月28日(日)訪問の際にお客様の現金をとってしまったことの申し出を受けました。
当社はこれにより本事案を認識し、以降、警察の捜査に全面的に協力してまいりました。その後、10月30日(水)に元社員が逮捕され、11月20日(水)に起訴されるに至りました。
当社は、本事案を認識した後、直ちに元社員が担当していたお客様へのご連絡および余件調査を開始しました。また、11月14日(木)より当社ホームページのトップ画面への表示・メール送信・アプリ発信・レター郵送の方法により、お取引などに不審な点がある場合には当社にお申し出をいただきたい旨をご案内いたしました。さらに、お客様からのお申し出には、お客様相談室やコンプライアンス担当部署と共に対応する専用の体制を構築しております。このようなお客様へのご案内は、今後も継続的に行ってまいります。
なお、当社は8月4日(日)、社内規程に従い元社員を懲戒解雇いたしました。
対応策について
当社では、これまでも社員個人の不正行為の抑止に向けたさまざまな対策を講じてまいりました。本事案の発生を受けて、予兆検知や行動管理の観点で、これまで講じてきた対策を更に強化することとし、以下の対応策を実施いたします。なお、社外有識者の助言を得ながら、当社における対応策の十分性を検証いたしました。
当社は、お客様の資産を守るため、また、社員の職業倫理を一層醸成するために、当社のウェルス・マネジメント部門において下記の対応策を構築・実施することで、不正行為の抑止に努めてまいります。
(1) 業務改革推進委員会の設置
社員個人による不正行為を予見・抑止する能力を組織として高め、お客様本位の業務運営の基礎を揺るぎないものとするために、代表取締役副社長を委員長として、ビジネス部門、コンプライアンスおよび人事の担当役員をメンバーとする委員会を設置しました。委員会は、対応策の十分性や実効性を検証し、必要に応じて新たな施策を検討し、これらの対応策の実践に求められる社内規則や組織体制の方針を定めてまいります。
(2)「お客様ご自宅への訪問」に関する監督強化
当社担当者がお客様のご自宅を訪問するにあたり、当面の間、管理者が同席する、または訪問前後にて管理者がお客様と電話面談をさせていただくことといたしました。訪問に際しての事前承認に加えて、管理者とお客様が直接会話する機会をいただくことで、当社担当者がお客様のご自宅を訪問するにあたり、お客様に安心していただくことを目的としています。また、後述の社員の業務活動におけるモニタリング強化の措置も講じます。
(3) チームでのお客様担当体制の拡充
当社では、お客様の状況に応じて、主担当の社員に加えて担当役員、支店長、担当部長、課長等がお客様に適宜連絡を取らせていただいております。今後は、お客様がより安心してお取引いただけるよう、上席が主担当の社員をサポートする形で、チームとしてお客様を担当する体制を拡充・整備してまいります。
(4) 社員の業務活動におけるモニタリング強化
主にお客様に接触する社員を対象に、業務時間内の行動予定の厳格な管理や会社が貸与する携帯電話やドライブ・レコーダー等のデータ活用により、お客様訪問・面談などの行動を厳格にチェックすることで、不審な行動を検知する機能を強化いたします。
(5) 不正検知のために社員が職場から一定期間離れる制度の導入
主にお客様に接触する社員を対象に、年に一度、一定期間連続の休暇取得を義務化し、潜在的な不正の検知を目的として、同期間中の社員によるすべてのお客様への一切の接触を遮断し、他の社員が担当させていただく制度を導入します。さらに、不正検知の観点から、必要に応じて同期間中にお取引等のご確認のため管理者からご連絡をさせていただきます。
(6) すべての社員を対象とした個別ミーティングの実施
役職員一人ひとりが本事案の重大性を深く理解し、対応策に盛り込まれたお客様への対応方針を現場において適切に徹底させるため、ウェルス・マネジメント部門に所属するすべての社員を対象に部室店長による個別ミーティングを実施してまいります。同時に、社員が不安に思っていることや不審に感じていることなど、社員の状況についてのさまざまなヒアリングを行っております。
(7) 人事評価の見直し
当社では、人事評価において、職業倫理・リスク管理・コンプライアンス・コンダクトを評価対象とし、個人やチームのパフォーマンスに応じた業績評価とは区分して人事評価を行っております。この職業倫理・リスク管理・コンプライアンス・コンダクトに関して、これまでよりも参照するデータの範囲を拡大し、一人ひとりの特徴や個性を今まで以上に解像度を上げて確認することによって、評価の質を向上させてまいります。
(8) 多様な視点による指導の拡充
当社では、直属の上司以外の視点も含めた指導を行うため、部下・同僚を含むさまざまな社員が匿名で対象社員の強みや改善点等を評価(360度フィードバック)し、その情報を活用して直属の上司が指導を行っています。ウェルス・マネジメント部門においては、全社員に導入することを前提に管理職から順に360度フィードバックを導入してまいりましたが、本事案を受けて非管理職に対しても速やかに導入・実施することとし、多様な視点から社員に関する情報を収集し、職業倫理やコンプライアンス等を含めた指導に活かしてまいります。
(9) 採用選考プロセスのさらなる高度化
倫理観やコンプライアンス意識等に関してより厳しい基準で選考を行うため、従来以上に多様な視点を組み入れた選考をウェルス・マネジメント部門で行ってまいります。また、多様な選考データと入社後のパフォーマンスやコンプライアンス等との相関性を検証するなど、採用選考プロセスのさらなる改善と高度化に取り組んでまいります。
(10) 研修
すべての社員を対象として、法令遵守および職業倫理の重要性について、一人ひとりが我が事として振り返り、誠実な行動を実践していくための研修を実施します。また、すべての管理職に対して、社員の行動管理等に関する研修を定期的に実施してまいります。
(11) 社員間コミュニケーションのさらなる強化
野村グループのパーパス「金融資本市場の力で、世界と共に挑戦し、豊かな社会を実現する」を基軸に、社員間のコミュニケーションのさらなる強化を図ります。定期的なコミュニケーションの場を設けることで、社員一人ひとりが主体性をもって野村グループのパーパスの実践に取り組みます。
役職員の責任の明確化
本事案に関し、以下のとおり役員報酬の自主返上の申し出がありました。
代表取締役社長 | 報酬の一部返上 30%×3か月 |
その他の代表取締役5名 | 報酬の一部返上 20%×3か月 |
取締役専務 ウェルス・マネジメント部門統括 | 報酬の一部返上 30%×3か月 |
常務 ビジネス統括兼本店長 | 報酬の一部返上 30%×3か月 |
常務 ウェルス・マネジメント兼部店マネジメント担当 | 報酬の一部返上 30%×3か月 |
執行役員 プライベート・ウェルス・マネジメント担当 | 報酬の一部返上 30%×3か月 |
行為者およびその管理者については、社内規程に基づき厳正に処分を行いました。