野村證券株式会社

大和証券株式会社

株式会社みずほフィナンシャルグループ

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ

株式会社三井住友フィナンシャルグループ

このたび、野村證券株式会社(代表取締役社長 奥田健太郎)、大和証券株式会社(代表取締役社長 荻野明彦)、株式会社みずほフィナンシャルグループ(執行役社長 木原正裕)、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(代表執行役社長 亀澤宏規)、株式会社三井住友フィナンシャルグループ(執行役社長グループCEO 中島 達)の5社が協働して取り組む、ブロックチェーン技術およびデジタルマネーを活用した伝統的資産の取引、権利移転ならびに決済の高度化に関する実証実験(以下、「本実証」)が、金融庁「FinTech実証実験ハブ」の支援案件として採択されました。


本実証では、ブロックチェーン上のデータを活用して、国債、上場株式、投資信託、社債などの伝統的資産に係る法律上の権利を移転する仕組みについて、実務上の論点を実証します。あわせて、取引の決済にデジタルマネーを活用することで、将来の決済高度化を見据えた実務面での実効性を確認します。

本実証の概要

本実証は、振替制度で取り扱われる国債、上場株式、投資信託、社債などの振替有価証券を対象に、証券会社間取引において振替口座簿の記録とブロックチェーン上のデータを同期させる仕組みを実証します。具体的には、スマートコントラクト※1を用いて振替口座簿の記録を更新し、法律上の権利を移転します。これにより、既存金融システムで扱われる伝統的資産についても、ブロックチェーン上での権利移転が可能となることをめざします。また、本実証は、特定事業者の独占とならず、金融機関が自由に活用できる業界横断型の枠組みです。


本実証における取引では、デジタルマネーおよび振替有価証券を取り扱うブロックチェーン上のスマートコントラクトを連動させた証券決済について実務上の対応を実証します。デジタルマネーについては、参加のグループ銀行3行が共同発行を検討するステーブルコイン(以下、「3メガSC」)の活用を想定します。デジタルマネーと連携することで、ブロックチェーン上での取引における決済の高度化や取引フローの最適化などに向けた検討も進めます。

本実証の権利移転と決済のイメージ

本実証の権利移転と決済のイメージ

本実証の背景と目的

国内では、ブロックチェーンを用いた有価証券は主にセキュリティトークン(以下、「ST」)として不動産証券化商品や社債等で活用が進んできました。一方、国債や上場有価証券等の伝統的資産は、振替機関による権利者管理とそれを前提とした市場インフラが確立しており、これまでのSTと同じようにブロックチェーンを活用することは必ずしも容易ではありませんでした。


他方、暗号資産市場の拡大や分散型金融※2の進展、海外における国債・株式等のトークン化検討の進展を背景に、ブロックチェーンを活用した有価証券市場は24時間365日取引されるといった取引形態の発展や国境を越えた取引が拡大する可能性があります。このため、国内有価証券の国際競争力および国内金融機関の関連ビジネス競争力を高める観点から、金融機関を横断して活用可能な共通の仕組みの確立が重要な課題となっています。


本実証では、伝統的資産で用いられる振替口座簿の仕組みを前提としつつ、ブロックチェーンネットワークとも連携可能な枠組みを実証します。あわせて、実証における決済手段としてデジタルマネーを用いることで、ブロックチェーン上の決済における振替有価証券とデジタルマネーの同時移転の運用可能性を確認します。これにより、ブロックチェーンを活用した有価証券の対象商品の拡大とデジタルマネーの活用を含めて売買約定、約定照合、決済等の証券取引に係るプロセス全体の改善に取り組みます。

  1. ブロックチェーン上で動作し、事前に定めたルールに従って、取引や状態更新を自動的に実行するプログラム
  2. ブロックチェーン上のスマートコントラクト等により、中央集権的な仲介機関を介さずに提供される金融サービス