大川 隼人、五島 佐保子
- 米国モルガン・スタンレーでは、個人投資家によるサステナブル投資を支援すべく、(1)個人投資家のサステナブル投資に対するニーズを把握するためのアンケート調査の実施、(2)サステナブル投資に必要なプラットフォーム及びツールの提供、を推進してきた。
- モルガン・スタンレー・サステナブル投資研究所によるアンケート調査の結果、米国・欧州・日本の個人投資家においてサステナブル投資への関心が高まりつつあることが明示された。一方で、「金融商品のアベイラビリティの不足」や「インパクト測定ツールの不足」等、サステナブル投資を実践する上での課題が浮き彫りになった。
- モルガン・スタンレーのウェルス・マネジメント部門では、サステナブル投資に必要なプラットフォーム及びツールを個人投資家あるいはファイナンシャル・アドバイザーに提供している。同プラットフォームにおける金融商品の事例として、(1)インパクト・ポートフォリオ、(2)モルガン・スタンレー・グローバル・インパクト・ファンディング・トラスト(MS・GIFT)・ドナー・アドバイズド・ファンド(DAF、寄付者推奨基金)、が挙げられる。また、インパクト測定ツール「インパクト指数算出ツール(Impact Quotient、IQ)」を顧客に提供し、顧客のインパクト目標に対するポートフォリオの整合性を評価している。
- モルガン・スタンレーの取り組みに鑑みると、日本のリテール市場におけるサステナブル投資がさらに発展するためのカギとして、(1)サステナビリティ投資の考え方を取り入れたポートフォリオ管理ツールの整備、(2)DAFの考え方を取り入れたサステナビリティ投資商品の開発、が挙げられる。