江夏 あかね
- 欧州委員会は2025年2月26日、欧州連合(EU)におけるサステナビリティ及び投資関連規制を簡素化する包括的な法案(以下、オムニバス法案)を公表した。
- オムニバス法案の対象となるサステナビリティ関連規制は、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)、企業サステナビリティデューデリジェンスに関する指令(CSDDD)、EUタクソノミー、炭素国境調整メカニズム(CBAM)である。簡素化の主な方向性としては、適用範囲縮小、要件の緩和、適用開始時期の延期等であり、法案の内容が実現すれば、企業にとって相応のコスト負担軽減が実現する見込みと説明された。
- サステナブルファイナンス市場では、主要なサステナビリティ関連規制を簡素化する方向性が示されたことから注目が集まっているようだ。とはいえ、オムニバス法案は今後、欧州議会とEU理事会で審議等のプロセスを経ることになり、内容に何らかの修正が行われる可能性もある。そのため、サステナブルファイナンス市場では、多くの投資家が様子見姿勢をとっており、オムニバス法案による特段の影響は2025年4月末時点では顕在化していない。
- オムニバス法案が今後、(1)欧州企業による資金調達や投資家による投資需要にどのように影響を与えるか、(2)欧州グリーンボンド基準(EU GBS)がEUタクソノミーへの準拠を要請していることもあり、同基準に基づく欧州グリーンボンドの発行に影響を及ぼすことがあるか、等が注目点と言える。