五島 佐保子

要約

  1. 主要7カ国首脳会議(G7サミット)が2025年6月に開催され、「G7重要鉱物行動計画」(以下、行動計画)が採択された。重要鉱物とは、一般的に、ある国や地域にとって経済的・産業的に不可欠でありながら、供給リスクが高い鉱物資源を指す。重要鉱物をめぐっては、エネルギー安全保障の観点から、安定供給確保・供給の多様化が喫緊の課題となっている。
  2. 行動計画は、重要鉱物の供給多様化の促進等を目的として策定され、(1)重要鉱物のサプライチェーンにおける、環境・社会リスク基準の策定、及び基準に基づく市場の構築、(2)責任ある重要鉱物プロジェクトへの投資拡大のための、各国間のパートナーシップや民間投資の促進の奨励、(3)重要鉱物のリサイクルや循環経済等におけるイノベーションに関する課題の解決、を推進することが明記された。
  3. サステナブルファイナンスの観点からは、2025年中に策定予定とされた環境・社会リスク基準の内容が注目されるところである。今後、サステナブルファイナンス市場において、重要鉱物サプライチェーンにおける環境・社会リスクが一層重視されていくとみられるとともに、同基準が将来的に、環境・社会デュー・ディリジェンス、エンゲージメント、株主提案、等における判断基準として参照される可能性がある。