宋 良也

要約

  1. 中国人民銀行等は2025年7月、「グリーン金融支援プロジェクト目録(2025年版)」(以下、2025年版中国タクソノミー)を公布した。同目録は、2021年版中国タクソノミーを4年ぶりに更新したもので、中国の「国が決定する貢献(NDC)」における「3060目標」の実現に向けた重要な要素として位置付けられる。
  2. 2025年版中国タクソノミーでは、エクイティを除く全てのグリーン金融商品に一律適用された。主な改正点としては、(1)低炭素排出に向けたトランジション関連プロジェクトの導入、(2)炭素排出削減への貢献度合いのラベリング体系の構築、(3)カーボンロックインのリスクのあるクリーンコール関連トランジションプロジェクトの対象外扱い、が挙げられる。
  3. 今般更新された中国タクソノミーは、全般的に意義深い内容だったが、導入された低炭素排出向けのトランジション関連プロジェクトは、一般のグリーンプロジェクトと混在されており、明確にグリーンプロジェクトとトランジションプロジェクトを区分していない等の課題が残っている。
  4. 今後、中国のグリーンファイナンス市場の観点から注目され得る主な論点としては、(1)中国におけるトランジションタクソノミーが別途制定されるのか、(2)欧州連合(EU)やシンガポールのタクソノミーとの共通点をまとめるマジョリティ・コモン・グラウンド・タクソノミー(MCGT)が2025年版中国タクソノミーの公表を受けどのように更新されるのか、が挙げられる。