加藤 雅貴

要約

  1. 野村グループは2025年9月、「野村サステナビリティ・ウィーク2025」を開催し、「世界のカーボンプライシングを読み解く-いよいよ本格稼働するGX-ETS-」と題したセッションを行った。
  2. カーボンプライシングとは、端的には、企業等の排出する二酸化炭素(CO2)に価格をつけ、それによって排出者の行動を変化させ、CO2の排出削減につなげるために導入する政策手法であり、主な制度としては、炭素税、排出量取引制度(ETS)、カーボンクレジットが挙げられる。本セッションでは、2026年度から、日本においてグリーン・トランスフォーメーション(GX)-ETSが本格稼働することを見据え、幅広い観点でパネルディスカッションを行った。
  3. 政策的観点からは、現実的なGXを着実に進めることやGX-ETSを日本経済の成長につなげることの重要性が指摘された。また、マクロ経済的観点からは、企業がカーボンプライシングへの対応を通し生産性を高めることへの期待が示された。他にも、東南アジア諸国連合(ASEAN)の事例として、ハイブリッド型のカーボンプライシングや国際的な協力が進められていることが紹介された。
  4. 本セッションは、GX-ETSを含めカーボンプライシングを、企業自身のコミットメントもさることながら、国内外のステークホルダーによる取り組みも通して、企業、ひいては日本経済の成長につなげていくという視点を持つことが重要との示唆を得る内容であった。