持続可能な社会の実現に向けて注目が集まるソーシャルボンド

野村資本市場研究所 江夏 あかね

要約

  1. 社会的課題への対処に向けた事業を資金使途とする債券である「ソーシャルボンド」の発行が近年、増加し始めている。ソーシャルボンドは、2006年11月に発行を開始した予防接種のための国際金融ファシリティ(IFFIm)によるワクチン債が初めてとされる。国際資本市場協会(ICMA)によるソーシャルボンド原則(SBP)の存在もあり、2010年代半ば頃から認知度が上がっている。また、本稿でも取り上げた発行事例を踏まえると、発行体セクターは、国際機関、銀行、政府系機関、事業会社と拡大傾向にある。
  2. 日本では2018年6月末現在、国内債として国際協力機構(JICA)、サムライ債としてBPCEが発行している。日本国内の社会的課題のために発行された事例はまだ出ていないが、日本でソーシャルボンドが今後、どのように活用されていくか注目されるところである。
  3. ソーシャルボンドの発行に当たっては、(1)発行体として、社会的課題の解決が経営面での重要課題として位置付けられていること、(2)対象事業がSBPに掲げられるソーシャルプロジェクトに該当し、社会的課題の改善目標及び改善のためのプロセスが明確など、SBPに適合した内容であること、(3)投資家をはじめとしたステークホルダーに対して透明性かつ客観性を確保し、レポーティング等を通じて説明責任を果たすこと、が成功のカギになると考えられる。
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