急成長する中国のグリーンボンド発行市場の政策・法的枠組み

野村資本市場研究所 関根 栄一

要約

  1. 中国のグリーンボンド市場の急成長が、国際的な市場参加者から注目を集めている。中国で、グリーンボンドの発行に関する政策・法的枠組みが整備され始めたのは2015年末であり、短期間のうちに、中国政府がトップダウンで取り組んできた成果と言える。
  2. 特に、2016年8月に中国人民銀行等の計7部門が公布した「グリーン金融体系の構築に関する指導意見」では、グリーンボンドについて、複数の官庁によって管理されてきた中国の債券市場制度体系を踏まえつつも、発行手引きや、資金使途、第三者認証等に関する共通の指針が示され、順次、ルール整備がなされてきている。
  3. グリーンボンドの個別銘柄に関する法的枠組みを見ると、発行時の審査の迅速化や手続きの簡素化によって、当局は、同じ債券でも優先的にグリーンボンドの発行を促そうとしている。自主規制機関として、中国金融学会のグリーン金融専門委員会が、対象プロジェクトの基準作りに関わっていることも中国の特徴である。
  4. 一方、中国のグリーンボンド市場では、銀行等による金融債が絶対多数を占め、社債の割合が小さく、また投資家への認知度が低いなどといった課題が、中国国内の研究者からも指摘されている。中国が今後、成熟したグリーンボンド市場を構築するためにどのような道をたどっていくかは、ゼロから同市場を立ち上げる国の当局や市場参加者の関心を集め続けるであろう。
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