重要課題(マテリアリティ)
豊かな自然環境と健やかな社会環境は、経済やビジネスの発展、人々の暮らしにとっての基盤であり、「真に豊かな社会の創造に貢献する」という野村グループの社会的使命もまた、この基盤なくしては成しえません。私たちは、地球環境の保全や多様な人々の活躍の推進といった取り組みが経済活動や社会の維持と発展に不可欠であることを認識しながら、商品やサービスを広げ、グローバル展開やコーポレート・ガバナンスの強化を進めてきました。
2020年5月には、創立100周年にあたる2025年に向けて、新たな経営ビジョン「社会課題の解決を通じて持続的な成長を実現すること」を、設定しました。幅広いステークホルダーとのパートナーシップを通じ、さまざまな社会課題の解決へとつなげてまいります。
選定プロセス


取り組むべき重要課題
野村グループでは、2008年にCSRの重要課題を策定/公表して以来、国際社会やステークホルダーの声に耳を傾けながら、改定を重ねてきました。
2025年に向けた経営ビジョン「社会課題の解決を通じた持続的成長の実現」を進めていくうえで、重点的に取り組むべき事項を野村グループ経営の重要課題(マテリアリティ)として改めて策定しました。これに対し、この一年における環境変化や当社におけるビジネス活動の進展などを踏まえ、見直しを行い、調整を加えています。引き続き、関連項目を用いながら、進捗を把握し、目指すべき姿に向けて取り組みを進めていきます。
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
私たちを取り巻く環境とリスク・機会の認識 | 取り組むべき課題と内容 | ||
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激動する 世界情勢 |
認識 | 各国の金融政策・市場の動向や、地政学リスクの高まりにより、変化が速く予測の難しい世界情勢が続く | 差別化された金融商品・サービスの提供
一人ひとりのお客様にあった適切なサービスを提供し、お客様に最も信頼さ れるパートナーになります
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リスク | 当社のリスク管理が不十分な場合やお客様のニーズに対応できない場合、損失の発生や収益機会の喪失が生じうる | ||
機会 | 市場環境に対応した商品・オルタナティブ投資機会、サプライチェーン再構築を行う事業会社へのサービス提供による収益機会やビジネス機会の拡大 | ||
環境課題 | 認識 | 気候変動対応・脱炭素化はグローバルな潮流 | 脱炭素社会の実現
自社およびお客様の脱炭素化を通じて脱炭素化社会の早期実現に貢献します
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リスク | 取引先の信用リスク、マーケット変動のリスク、災害等により物理的な損害を受けるリスク、レピュテーショナルリスク等 | ||
機会 | 脱炭素社会に必要となるリスクマネーの供給は事業機会(金融資本市場、プロジェクトファイナンス、M&Aなど) | ||
デジタル シフト |
認識 | デジタル活用による取引や、オンライン・コンテンツの重要性の高まり | 新技術を活用した戦略的、革新的なサービス開発
デジタル戦略の強化によるお客様の利便性、サービス領域の拡大に取り組みます
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リスク | 業界全体としてオンライン取引による取引手数料水準の低下による取引機会喪失・減収リスク | ||
機会 | 業務効率化、顧客接点のデジタル化を含むサービス最適化、デジタル・アセット関連のビジネスの推進 | ||
日本の 少子高齢化 |
認識 | 社会構造の変化に起因したお客様のビジネス活動やニーズの変化にあわせたソリューションの提供 | 幅広い世代の資産形成のサポート
金融経済教育の推進による金融リテラシーの向上に貢献します
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リスク | 伝統的な個人投資家による資産運用の需要が長期的に縮小する可能性 | ||
機会 | お客様のビジネス活動やニーズに沿ったソリューションを提供することで、新しい収益機会の創出 | ||
DEI 人権意識 |
認識 | 健全な職場環境の構築、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進、ビジネスにおける人権配慮の要請 | 人権を尊重した事業活動
人権が尊重され、多様な人材がその能力を発揮できる社会の実現に取り組みます
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リスク | 人材流出リスク、当社の事業活動における人権への配慮が充分でない場合のレピュテーショナルリスク等 | ||
機会 | 多様な人材による競争力、イノベーション、高度なリスク管理の実現 | ||
ガバナンス 高度化 |
認識 | コーポレート・ガバナンスの高度化、取締役会の機能強化の要請 | コーポレート・ガバナンス機能のさらなる発揮
社会から信頼される存在になるためガバナンスの高度化に努めます
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リスク | ガバナンス機能が発揮されないことによるガバナンス機能不全、レピュテーショナルリスク等 | ||
機会 | 高度なガバナンス機能の発揮による企業価値の向上 |