創業者「野村徳七」 4.両替店「野村商店」の創立

野村商店の看板

初代徳七は、明治5年(6年とも言われている)に大弥両替店から独立して、新たに野村の姓を名乗って分家するとともに、大弥両替店に奉公していた山内多幾と結婚し、新しい生活に入った。多幾は、越前勝山藩の山内村右衛門と後妻との間に生まれ、外柔内剛、内に気迫を秘めた才媛だった。 独立したといっても、店は大弥両替店の一隅を借りたもので、まず銭両替商として小銭の両替商売をはじめることになった。こうして、両替商「野村商店」は、明治5年2月、百円の資本で誕生し、野村財閥の事業の出発点となったのである。開店直後の「野村商店」の営業成績は明らかでないが、間接の資料によると、まずは好成績だったようだ。