内部監査
内部監査の目的
内部監査の活動は、独立性と客観性を維持した立場から、組織における様々な活動への評価およびこれに基づく保証と助言を通じ、組織体における目標達成を支援することです。その点を踏まえ、野村グループの内部監査部門では、『独立にして、リスク・ベースで、かつ客観的な保証、助言、洞察および予見を付加価値として提供し、豊かな社会の実現の一助となる』を目的と定め、内部監査業務を行っています。
内部監査の独立性
監査委員会への直接レポートによる独立性の確保
当社は、業務執行から独立した内部監査部門を設置しており、その主たるレポーティング・ラインは監査委員会です。内部監査にかかる実施計画および予算の策定については、監査委員会または監査委員会の選定する監査委員の承認を得るものとし、また内部監査部門の責任者の選解任については、監査委員会または監査委員会の選定する監査委員の同意を必要としており、内部監査の業務執行からの独立性・客観性を確保しています。
内部監査の運営体制
グループワイドに一貫した体制および監査委員会との密な連携
当社は、内部監査の専任部署であるグループ・インターナル・オーディット部を置くとともに、傘下の国内外の主要な子会社にも同様に内部監査専任部署(人員)を設置し、グローバルに統一された手法で、野村グループにおけるビジネスやコーポレート機能を横断的に監査する体制を構築しています。具体的には、機能と地域によるグローバル・マトリックス体制を導入し、監査対象となるビジネスやコーポレート機能単位に、内部監査等のスキルが高く経験豊かな国内外の人材をGlobal Portfolio Directorとして指名し、グループ全体の整合性を高めることで、グローバルにグループ全体の内部統制を一貫性をもって評価しています。
また、内部監査を担当する執行役員は、監査委員会に対し直接に内部監査体制の整備・運用状況、内部監査の実施状況の報告を行うほか、監査委員会が必要と考える監査のポイントを内部監査計画に反映するなど、内部監査部門と監査委員会の連携を図ることで内部監査の実効性を確保しています。
内部監査の高度化に向けた取組
グループワイドに一貫した監査手法の導入、監査対応の高度化に向けたデータ分析活用の推進
野村グループの内部監査部門では、監査資源を有効かつ効率的に活用するために、原則としてリスク・ベース・アプローチをとっており、内在するリスクの種類や程度に応じて監査資源を割り当てています。なお、グループ全体での内部監査対応を支える内部監査業務の基盤として、グローバルに統一された内部監査手法(The Institute of Internal Auditorsが定める「専門職的実施の国際フレームワーク」(以下、「IPPF」)に準拠)を導入しています。また、内部監査活動におけるテクノロジー活用をグループ全体で推進すべく、専任のデータ・アナリティクスチームを地域横断的に組成、データ分析・管理に長けた人材を各地域にも配置の上、各内部監査活動でのデータ分析活用を進めるほか、データ分析による継続的なモニタリング等への取組みを図っています。加えて、内部監査は、内部規定ならびにIPPFの基準に則り、概ね5年毎に外部専門家による内部監査に対する品質評価をグループワイドに受けており、内部監査の高度化に向けた対応にも活用しています。