機関設計

指名委員会等設置会社は、社外取締役を過半数とする指名・監査・報酬の三委員会を設置し、経営の監督と業務執行の分離による監督機能の強化および透明性の向上を図るとともに、取締役会が執行役に業務執行の決定の権限を大幅に委任することで意思決定の迅速化が図られる体制です。

経営の監督と業務執行が制度的に分離された指名委員会等設置会社である当社では、取締役会および法定の指名・監査・報酬の三委員会に加え、リスク管理に関して取締役会による監督の深化を目的とする委員会である「リスク委員会」、ならびに社外取締役が当社の事業およびコーポレート・ガバナンスに関する事項について定期的に議論するための「社外取締役会議」を設置しています。

コーポレート・ガバナンス体制

2024年6月25日現在

コーポレート・ガバナンス体制

取締役会

当社の取締役会は、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の最大化を図ることを目的とし、その主たる役割を経営の監督としております。取締役会は、経営の公正性・透明性を確保するとともに、「経営の基本方針」を決定し、当該方 針を踏まえたグループCEOその他の会社を経営する執行役の選任および当社の重要な業務執行の決定を行っています。

当社の取締役会は、多角的な視点から活発な議論を行うことができるよう、性別、国際性および職歴等の多様性と、財務、企業経営、法律等の専門性を備えた人員で構成することを原則としております。また、その監督機能を適切に発揮するため、社外取締役を過半とすることを原則としています。

当社の取締役会は、執行役を兼務しない取締役を議長とすることで、執行役の業務執行に対する監督に専念できる体制の強化を図っています。

野村ホールディングス コーポレート・ガバナンス・ガイドライン (PDF 374KB)

また、当社は、社外取締役の当グループに対する独立性を保つため当社関係者や当社の主要な借入先の業務執行者に該当しないことなどを定めた「独立性基準 (PDF 425KB)」を指名委員会において定めています。当社の社外取締役は8名全員が独立性基準を満たしており、社外取締役全員を「独立役員」として指定し、取引所に届け出ています。

取締役の構成(2024年6月25日現在)

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

氏名 地位 スキル
経営 グローバル 金融業 会計財務 法制度・
規制
内部統制
(リスク管理含む)
デジタル・
IT・DX
サステナビリティ
永井 浩二 非業務執行取締役
(取締役会長)
奥田 健太郎 代表執行役社長
グループCEO
中島 豊 代表執行役副社長
小川 祥司 非業務執行取締役
Laura Simone Unger
[ローラ・アンガー]
社外取締役
Victor Chu
[ビクター・チュー]
社外取締役
J. Christopher Giancarlo
[クリストファー・ジャンカルロ]
社外取締役
Patricia Mosser
[パトリシア・モッサー]
社外取締役
高原 豪久 社外取締役
石黒 美幸 社外取締役
石塚 雅博 社外取締役
大島 卓 社外取締役

取締役へのサポート体制

当社は、監査委員会および取締役の職務を補助する専任の部署として取締役会室を設置しており、同室が監査委員会の事務局機能を果たすとともに、社外取締役に対し定期的に経営に関する情報を提供するなど、取締役の職務支援を行っています。

また、取締役会の開催に際しては、社外取締役に対し取締役会の事前説明などの機会を利用して継続的に、当社の事業内容、事業計画、財務状況、内部統制などのガバナンス体制等の重要な事項につき、必要な説明を行っています。

さらに、社外取締役は、必要に応じ、執行役および従業員に対して説明もしくは報告または資料の提出を求めることができ、当社の費用において、法務、会計その他の外部専門家を利用できることとしています。

取締役会の運営状況

取締役会は3カ月に1回以上の頻度で開催され、当社の経営を取り巻く環境やビジネスの状況などについて議論を重ねています。また、取締役会とは別に、社外取締役によるフリーディスカッションの場として定期的に開催する社外取締役会議において、野村グループの経営戦略や取締役会の運営などについて議論を実施し、監督機能の強化に役立てています。

開催回数 11回(2023年4月1日から2024年3月31日まで)

主な審議事項(2024年3月期)

主たる検討内容
野村グループのパーパス策定
  • 野村グループのパーパス策定、企業理念体系の再定義
営業部門※1の戦略
  • 競合環境、目指すべきビジネス・モデル、リソース再配置と戦略等
ホールセール部門の戦略
  • 戦略プランの進捗、ホールセール部門の業績と優先課題
インベストメント・マネジメント部門の戦略
  • インベストメント・マネジメント部門の概況、目指すべき姿、伝統的ビジネスの積み上げ、オルタナティブ資産残高の拡大等
クロスディビジョナル/グループプレミアムを創出するための取組みの状況
  • クロスディビジョナル戦略、各施策の概要等
帰属資本
資本余力の状況と活用
  • 帰属資本の状況、バーゼルIIIの影響、リソースアロケーション等
2025年3月期グループ予算
  • 2025年3月期のグループ予算の考え方、各部門の戦略等
構造改革委員会報告
  • 構造改革委員会(グループの構造改革を加速させ、将来の成長を支える持続可能な財務・経営基盤を確保するために設置)の進捗状況等
株主との対話実施
  • 主要な国内・国外機関投資家および議決権行使助言会社との対話状況
2023年株主総会の議決権行使状況分析
  • 2023年株主総会における議決権行使結果の概要
株主還元
  • 株主還元方針の方向性、国内他社との株主構成比較、投資家属性に基づく投資行動と選好、国内競合他社の状況等
インベスター・デー
  • インベスター・デーの内容を踏まえた、グループワイド・ビジネス・その他のカテゴリーについての2024年3月期の主要トピック
開示書類の報告
  • 有価証券報告書、Form20-F、統合報告書、資本コストや株価を意識した経営の実現への対応等
情報開示の高度化
  • 非財務情報(ESG等)の開示拡充、企業価値に対する効果等
サステナビリティ関連報告
  • サステナビリティに関する国内外の制度・政策の状況、野村グループの取組み等
政策保有株式検討委員会報告
  • 政策保有株式検討委員会の審議状況、政策保有株式の保有方針等
オペレーショナル・レジリエンス等
  • オペレーショナル・レジリエンス等に関する外部環境、当社の現状等
取締役会評価に関する報告
  • 2024年3月期に実施した取締役会の実効性強化に向けた取組み等※2

1 2024年4月以降ウェルス・マネジメント部門

2 取締役会評価については社外取締役会議においても議論を行いました。なお、最新の取締役会評価の結果については、当社「コーポレート・ガバナンスに関する報告書 (PDF 416KB)」で開示しております。

取締役会の実効性評価

当社は、2016年3月期以降、取締役会の実効性に関する評価を実施しています。取締役会の運営方法や情報提供の質・量、取締役会における議論の状況などについて、各取締役がそれぞれの項目を評価し、その結果を踏まえて、取締役会および社外取締役会議で議論を行い、課題として挙がった項目については、取締役と執行側でさらに議論を進めることで、監督機能の強化に取り組んでいます。

これらの取り組みも踏まえ、取締役会として、取締役会の実効性は本年も概ね良好な水準にあるものと評価しています。当社は、指名委員会等設置会社として、執行の機動性を確保しつつ、取締役会内外において各取締役がその知見を活用する機会の充実に努め、取締役会による監督機能のさらなる高度化を図っています。

イメージ図:取締役会の実効性評価
評価項目
  • 取締役会の構成・運営
  • 取締役会への情報提供
  • 経営目標や経営戦略への取締役会のかかわり
  • 取締役会の経営監督機能
  • 指名・監査・報酬・リスクの各委員会の構成・運営
  • ステークホルダーとの対話状況のモニタリング
  • 社外取締役会議の運営 など
結果を受けた対応 前年の結果を受けた対応
  • 2021年度は、定例議題の時間を短縮し、中長期の経営戦略、リスク管理の高度化、サステナビリティ、サイバーセキュリティ等の戦略的な議題について重点的に議論しました。
  • リスク管理の高度化の一環として、グループのリスクを監督する専門監督機関としてリスク委員会を新設しました。委員6名中5名を社外取締役とし、議長にも外国人社外取締役を選定することで執行からの独立性の高い構成としています。リスク管理の高度化の進捗状況、リスク・アペタイト・ステートメントの改訂、ウクライナ情勢等について報告・議論しています。
  • 当社のビジネスポートフォリオにおける海外比率の高まりも受け、監査委員会については外国人の社外取締役を新規に委員として選定する旨を決定しました。
今後の課題
  • リスク管理の高度化への取り組みが適切に進捗しているか引き続き監督を実施します。
  • 中長期の経営戦略、経営目標、サステナビリティ、デジタル及びITガバナンス等をはじめとした、より戦略的な議題にフォーカスするとともに、適切にモニタリングを実施していきます。

社外取締役インタビュー

委員会

指名委員会

指名委員会は、株主総会に提出する取締役の選任および解任に関する議案内容の決定を、人格・識見、倫理観、企業経営の経験や専門性、独立性などの一定の選任基準を踏まえて行っています。指名委員会は、社外取締役の大島卓および高原豪久ならびに執行役を兼務しない取締役の永井浩二で構成され、委員長は大島卓が務めています。

監査委員会

監査委員会は、取締役および執行役の職務執行の監査ならびに監査報告書の作成、株主総会に提出する会計監査人の選任および解任ならびに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定を行う法定の機関であり、取締役会で3名の委員を選定しています。監査委員会は社外取締役の石塚雅博およびVictor Chuならびに執行役を兼務しない取締役であり常勤監査委員の小川祥司で構成され、委員長は石塚雅博が務めています。すべての委員は、米国企業改革法で定める独立性の要件を満たしており、また、石塚雅博は同法に基づく財務専門家であり、財務および会計に関する相当程度の知見を有するものであります。

報酬委員会

報酬委員会は、取締役および執行役の報酬等の内容に係る決定に関する方針および個人別の報酬等の内容を決定しています。報酬委員会は、社外取締役の大島卓および高原豪久ならびに執行役を兼務しない取締役の永井浩二で構成され、委員長は大島卓が務めています。

リスク委員会

リスク委員会は、取締役会による野村グループのリスク管理の監督を補助し、リスク管理の高度化に資することを目的とする任意の機関です。リスク委員会は、社外取締役のLaura Simone Unger、J. Christopher Giancarlo、Patricia Mosserおよび石黒美幸ならびに執行役を兼務しない取締役の小川祥司で構成され、委員長はLaura Simone Ungerが務めています。

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

2024年3月末現在
  議長・委員長 社外取締役比率 2023年度開催回数(平均出席率)
取締役会 非業務執行取締役 67% 11回(100%)
指名委員会 社外取締役 67% 7回(100%)
報酬委員会 社外取締役 67% 11回(100%)
監査委員会 社外取締役 67% 13回(96%)
リスク委員会 社外取締役 80% 5回(94%)

執行役による業務執行

当社は指名委員会等設置会社であることから、取締役会は業務執行の決定の権限を法律で認められる限りにおいて執行役に対して原則として委任し、執行役が当社の業務を機動的に執行する体制をとっています。取締役会の決議により執行役に委任された事項のうち、特に重要な業務執行については「経営会議」、「グループ・リスク管理委員会」、「野村 グループ・コンダクト委員会」、「サステナビリティ委員会」、「内部統制委員会」といった会議体における審議を経て決定することとしています。また、経営会議等での審議状況について、取締役会は各会議体から3カ月に1回以上の報告を受けることとしています。

また、高度化・専門化する金融業務における業務執行体制の一層の強化を図るため、執行役から業務執行権限の一部の委任を受け、個々の担当分野のビジネス、オペレーションに専念する役割を担う「執行役員」を設置しています。