気候変動への取り組み
野村グループは、グローバルに事業を展開する企業の責任として、事業を通じて気候変動問題の解決に貢献するとともに、自らの事業活動にともなう環境負荷低減に取り組んでいます。
環境情報の収集と開示については、環境情報の信頼性を確保するために、2010年3月期データから第三者による保証を受けています。また、気候関連財務情報開示の重要性を認識し、2018年より、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同するとともに、これに基づく情報開示の拡充にも取り組んでいます。各地域では、自治体の条例に基づき、地球温暖化対策に関する計画書を作成し、各自治体に提出しています。2021年9月には、脱炭素社会の早期実現に向け、2030年までに当社の拠点で排出する温室効果ガス排出量を実質ゼロとする「ネットゼロ」を達成することを公表しています。
エネルギー使用量の削減
当グループでは、主に自社グループが所有するビルの電気・空調設備について、省エネ効果の高い機器への切り替えや運用の工夫によって、電力使用量の削減を図っています。
再生可能電力の利用拡大
野村グループは、自然エネルギーを由来とする再生可能な電力の利用を通じて、環境負荷低減を促進しています。
日本国内においては、日本国内主要拠点の電力使用量に相当するグリーン電力証書、非化石証書の購入・利用を行っています。2022年度からは、東京の本社ビル(大手町、豊洲)の電力供給を再生可能エネルギー由来の電力に切り替えています。欧州主要拠点においては、その利用電力のほとんどを再生可能エネルギーで賄っています。
地域のエネルギー条例と政策への対応
野村グループでは、各地方自治体の条例に基づき、地球温暖化対策に関する計画書を作成し、各地方自治体に提出しています。
東京都環境確保条例
地球温暖化対策報告書
環境確保条例に基づく「中小規模事業所の地球温暖化対策報告書制度」により、都内の該当事業所について、2010年度から同報告書を作成し、提出しています。報告書の使用エネルギーデータは前年度の実績値となります。
東京都の「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)」に基づく制度
年間の原油換算エネルギー使用量が3,000kl未満の場合は報告書は提出不要のため、2023年度は野村ホールディングスのみ対象となります。
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
対象 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
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野村ホールディングス株式会社 | PDF (230KB) |
PDF (226KB) |
PDF (18KB) |
PDF (195KB) |
PDF (208KB) |
野村證券株式会社 | PDF (216KB) |
PDF (265KB) |
PDF (35KB) |
PDF (198KB) |
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野村プロパティーズ株式会社(旧 野村ファシリティーズ株式会社) | PDF (145KB) |
PDF (144KB) |
PDF (149KB) |
PDF (146KB) |
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エネルギー使用量・炭素排出量報告フレームワーク(SECRフレームワーク)
イギリスでは、2019年4月に「エネルギー使用量・炭素排出量報告フレームワーク(SECRフレームワーク)」が導入されました。SECRフレームワークの導入は、「カーボン・リダクション・コミットメントエネルギー効率スキーム(CRC)」の終了と時期を同じくしており、NIP(Nomura International Plc.)は7年間のコンプライアンス遵守を認められ、2019年にCRC報告制度の最終年度を終了しました。
NIPは、適格事業者として、年次の取締役報告書(Director’s Report)の中で、イギリスの温室効果ガス排出量と原単位、およびエネルギー効率に関する取り組みについて報告することが義務付けられています。NIPはこれらの年次報告義務に対して、健全なデータ収集と報告プロセスの要件を満たし、外部監査の評価を受けています。
イギリス政府は、2019年にSECRフレームワークを導入しました。この制度では、対象となる企業に、事業所でのエネルギー使用から生じるエネルギー使用量と炭素排出量の報告を義務づけています。
欧州エネルギー効率化指令(EU EED) エネルギー監査(EED第8条)
2014年に施行されたEUエネルギー効率指令第8条では、資格を有するすべての大企業に対し、4年ごとにエネルギー監査を実施し、自らのエネルギー使用状況を把握し、費用対効果の高い省エネルギー対策を特定することを義務付けています。
ESOSはEUエネルギー効率指令第8条に対応して英国政府によって開発され、2014年7月に発効しました。これらの要件を満たすために、NIPはISO 50001認証を取得したエネルギーマネジメントシステムを確立しました。このシステムは、コンプライアンスの継続的な達成と認証取得のために毎年監査を受けています。
当社の他のヨーロッパ拠点についても、エネルギー監査を実施し、コンプライアンスの徹底を図るとともに、可能な限りエネルギー効率改善の機会を特定し、実施しています。
社員の移動にともなうCO2排出削減
野村證券が使用する全リース車両が占める、国土交通省認定の低排出ガス車の割合は、現在、約99.9%に達しています。2019年度に新たに導入した自動車は、全て低排出ガス車でした。また、2014年度からは、燃料電池自動車も導入しております。今後もリース期間満了時には低排出ガス車、特にハイブリッド車を中心に切り替えていきます。野村證券の全リース車両のCO2排出総量を2020年3月期と比較・削減するという目標のもと推進していきます。
一方、2019年にリース車両にテレマティクスを導入しております。テレマティクスとは、自動車に設置された通信機器を利用し、さまざまなデータを取得できるIoTソリューションです。これを活用し、各種車両の危険運転や使用されている燃費情報などを可視化し、エコドライブと安全運転の推進が図れます。各リース車両の稼働状況を確認でき、車両の有効活用が可能です。
また、各種IT機器の有効活用による在宅勤務、およびテレビ会議の推進と出張等を控えることにより、業務における鉄道や車両、飛行機などによる移動を減らし、環境負荷の低減を図っています。
さらに、ドイツ拠点では、鉄道移動に必要なエネルギーを100%再生可能エネルギーで供給するドイツ鉄道のプログラムを利用しています。これによりドイツ鉄道を利用した出張は、自動車で移動した場合と比較して、2021年は2,981kg、2022年は9,200kgのCO2排出量を削減しました。
自転車シェアリングを通じたSDGs活動への協賛
野村グループは、「カーボンニュートラル」「健康推進」をキーワードにSDGsに取り組む自転車シェアリングのプロジェクトに協賛しています。本プロジェクトを通じた2022年度年間スポンサー自転車のCO2削減量は約1,026t(トン)になりました。
本プロジェクトは環境省が推進する国民運動「COOL CHOICE」と連携しています。
「Earth Hour 2023」に参加
2023年3月25日、野村グループは、グローバルでの取り組みとして、世界自然保護基金(WWF)の開催する「Earth Hour 2023」に参加しました。
各地で現地時間の午後8時30分にオフィスの照明を消したほか、自宅やオフィスで必要のない照明を消すように社員に呼びかけるなど、グループ全体で省エネルギーへの意識を再確認しました。
生物多様性への取り組み
経団連生物多様性宣言イニシアチブ
野村グループは、「経団連生物多様性宣言・行動指針」に賛同しています。この宣言・行動指針は、自然循環機能と事業活動との調和を目指すものであり、生物多様性や気候変動の問題解決につながる経営をより一層推進することを求めています。また、当社は経団連自然保護基金を通じて、自然保護や生物多様性保全に関わる国内外のNGO/NPO等を支援しています。
プランBee -屋上ミツバチプロジェクト-
ロンドン拠点では、屋上でミツバチの飼育を行っています。ミツバチは花の蜜や花粉を集める過程で多くの果物や野菜、作物の受粉に貢献するため、地球の生態系維持に不可欠であると言われています。社員は、ミツバチの飼育を通じて、ロンドン拠点周辺の生態系を学ぶとともに、自然とつながる体験をしています。このような活動を通じて、生物多様性に関する意識の向上をめざしています。