環境マネジメント
野村グループでは、グループ全体で環境負荷低減に取り組んでいます。国内において環境マネジメントシステムを確立し、包括的な環境保全活動を推進するとともに、世界各地の事業拠点においても環境に配慮した取り組みを進めています。また、環境情報の開示をグローバルに拡充し、環境目標の設定と実績の開示に努めています。
環境方針
野村グループは「野村グループ行動規範」の中で「すべての国や地域における文化と慣習を尊重するとともに、環境や社会に対する責任を常に意識して行動する」と定めています。
また、野村グループのサステナビリティに関連する活動の方向性および環境や社会的リスクに対して当社がどのように対応していくかについて定めた「野村グループ サステナビリティ・ステートメント」の具体的な行動の指針として環境方針を取りまとめ、環境活動ワーキンググループが主体となって、グループ全体で環境問題に積極的に取り組んでいます。
環境方針
本方針は、野村グループのサステナビリティに関連する活動の方向性および環境や社会的リスクに対して当社がどのように対応していくかについて定めた「野村グループ サステナビリティ・ステートメント」における「5.気候変動に対する認識」および「6.自然資本に対する認識」についての具体的な行動の指針を示すものです。
私たちはこの環境方針に基づき、環境保護に対する責任を常に意識しな がら、環境問題に積極的に取り組んでいきます。
1. 事業活動を通じた取り組み
お客様のサステナビリティへの取り組みを、グループ各社の商品・サービスの提供を通じて支援し、これを私たち自身の成長機会とするとともに、商品・サービスが環境に及ぼす影響にも十分に配慮し、環境に負の影響を及ぼす可能性がある場合は、適切に対応します。
加えて、気候変動を始めとする環境に対するリスク管理高度化の対応を進めます。
- 気候変動
脱炭素社会への移行を促進するために、グループ各社の事業およびお客様への商品・サービスの提供において、以下の取り組みを進めます。- M&Aアドバイザリーやコンサルティングサービスの提供、サステナブル・ファイナンスの支援等を通じて、お客様の脱炭素化の取り組みを支援します。
- 自社の商品・サービスが気候変動に影響を及ぼす可能性を認識し、その影響にも十分配慮したうえで、適切に対応します。
- 気候変動に対するリスクの適切な管理に努めます。
- 自然資本
商品・サービスの提供を通じて、自然資本を保全する事業を支援するとともに、グループ各社の商品・サービスが生物多様性へ負の影響を及ぼすことがないように適切に対応します。
2. 自社における取り組み
以下の取り組みについて、適宜目標を設定して進めることで、自社の環境負荷の低減や環境改善と汚染の予防等に努めます。
- 自社拠点における環境負荷の低減
事業活動における資源の消費や、廃棄物の排出による環境への負荷を認識し、廃棄物の削減、省エネルギーおよび省資源、脱炭素、グリーン調達等に取り組み、環境保全に努め、これらを管理するための環境マネジメントシステムを継続的に改善します。 - 環境改善と汚染の予防
環境に対する効果の継続的な検証を心がけ、環境改善と汚染の予防に取り組みます。 - 社内意識の醸成
研修等を通じ、本方針を全役職員に周知徹底し、環境に対する社内意識の醸成に努めるとともに、役職員が業務・業務外を問わず、環境保全活動に参加しやすい枠組みを用意し、役職員一人ひとりの取り組みを推進します。
3. ガバナンス・管理体制
- 本方針は、事業活動やビジネス環境の変化を踏まえて、サステナビリティ推進担当役員の承認を経て、必要に応じた見直しを行います。
- 環境に関する取り組みは、サステナビリティ委員会において定期的に審議し、必要に応じて取締役会への報告を行います。
- 環境関連法令・規則等を遵守するとともに、環境に関する取り組みについて適切かつ積極的な情報開示に努めます。
4. ステークホルダー・エンゲージメント
- 環境方針を一般にも公開し、広く社外のステークホルダーとコミュニケーションを行うことにより、環境に係る課題への取り組みの向上・改善に努めるとともに、環境保全活動の啓発・推進に努めます。
- 環境への取り組みにおいて、サステナビリティ・ステートメントに記載する各種の国際的な協定やイニシアティブを支持し、調和のとれた取り組みを推進します。
環境マネジメント体制
国内においては、環境マネジメントシステム(EMS:Environmental Management System)を確立し、環境に関するリスクや課題に対して包括的な環境保全活動を推進しています。グループ横断的な組織である環境活動ワーキンググループを毎月開催し、環境保全活動の進捗を管理しています。また、PDCAサイクルが機能しているかどうかを確認するため、定期的に内部環境監査を実施しています。具体的には、全国で「環境取り組みチェック」を実施し、EMSの実効性を高めています。さらに、環境担当役員によるレビューを行い、目標の達成度などを確認・評価し、継続的な改善につなげています。環境課題から生じる機会やリスクについてはサステナビリティ委員会へも報告しています。
世界各地の事業拠点においても環境に配慮した取り組みを進めております。ロンドンの本社ビルでは現地認証機関の審査のもとに2007年からISO14001認証を維持しており、2018年には2015年改訂版ISO14001の再認証を受けました。また、2015年には新たにエネルギーマネジメントシステムであるISO50001認証を取得しました。
環境目標
GHG排出量削減目標
野村グループ(グローバル)におけるGHG排出量削減目標および実績
これまでに自社拠点における省エネルギーの推進や再生可能エネルギー起源の電力導入拡大などの取り組みの結果として、2021年度のGHG排出量は33,634 t-CO2となっています(GHG Protocolに基づくMarket-basedのScope2排出量算定方法を用いた場合)。
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
2021年3月期実績 | 2022年3月期実績 | 2030年目標 | ||
---|---|---|---|---|
GHG排出量 (Scope 1+2) |
Location-based※1 | 48,872 t-CO2 | 44,140 t-CO2 | - |
Market-based※2 | 41,477 t-CO2 | 33,634 t-CO2 | 排出量ネットゼロ実現 |
1 Location-based(ロケーション基準)手法
特定のロケーション(グリッドの範囲や同一の法体系が適用される範囲)に対する平均的な電力排出係数に基づいて、Scope2排出量を算定する手法。
2 Market-based(マーケット基準)手法
企業が購入している電気の契約内容を反映して、Scope2排出量を算定する手法。契約内容を反映した排出係数を使用するため、再生可能エネルギー起源の電力など、低炭素電力メニューを調達していれば、その効果を反映することができる。
環境問題をはじめとしたサステナビリティに関する意識啓発と社内教育を目的に、国内ではグループの全社員を対象にした「サステナビリティ研修(旧環境研修)」を2009年より毎年実施しています。さらに、イントラネットを通じた情報配信や環境啓発イベントの開催などにも取り組んでいます。また、欧州拠点では、新入社員向け環境研修の実施やサプライヤー等を対象としたESGコンテンツの提供を行っています。
自社拠点で利用する電力の再エネ100%化
当グループでは、再生可能エネルギーの導入を進めてきましたが、今後も段階的に拡大し、2030年までに当社が利用する電力を100%再生可能エネルギー起源の電力に切り替えることを目標に掲げています。
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
2021年3月期実績 | 2022年3月期実績 | 2023年3月期目標 | 2026年3月期目標 | 2030年目標 | |
---|---|---|---|---|---|
再生可能電力比率(%) | 25.4% | 33.6% | 50%超 | 70%超 | 100% |
野村グループ(国内)における環境目標および実績
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
当グループは、年度ごとに環境目標を策定し、環境保全活動の進捗を管理しています。環境目標は地域ごとに作成され、環境活動ワーキンググループが、それぞれの達成状況を確認しています。
2022年3月期目標 | 実績・評価 | 2023年3月期目標 | |
---|---|---|---|
温室効果ガス 排出量削減 |
床面積1m²あたりのCO2排出量を2010年3月期比25%以上削減 | ![]() 42.1%削減 |
野村グループ(国内)におけるエネルギー使用量を2031年3月期までに2021年3月期比20%以上削減(2023年3月期目標は4%以上削減) |
野村證券リース自動車のCO2排出総量の2020年3月期比削減 | ![]() 52.9%削減 |
野村證券リース自動車のCO2排出総量の2020年3月期比削減 | |
主要拠点における廃棄物排出量を2014年3月期比削減 | ![]() 37.6%削減 |
主要拠点における廃棄物排出量を前年度比削減 | |
資源の有効活用 | コピー用紙使用量に占めるグリーン購入率80% | ![]() 購入率95.3% |
コピー用紙使用量に占めるグリーン購入率90% |
紙類の削減 | コピー用紙使用量(年間購入量)の2020年3月期比削減 | ![]() 47.2%削減 |
コピー用紙使用量(年間購入量)の2020年3月期比削減 |
電子交付サービスの推進 | ![]() 電子交付承諾口座 |
電子交付サービスの推進 | |
本業を通じた 環境への貢献 |
社会的課題の解決につながる金融商品やサービスの拡大 |
![]()
|
社会的課題の解決につながる金融商品やサービスの拡大 |
CO2排出量:電気・都市ガス・重油・軽油・灯油・LPG・蒸気および冷温水の使用に伴い発生するCO2排出量
グリーン購入率:社内システムを通じて購入したコピー用紙を対象に集計。
コピー用紙使用量:指定業者を通じて購入した野村グループにおけるコピー用紙使用量(年間購入量)を対象に集計
電子交付承諾口座:メール交付サービス承諾口座数およびWeb交付サービス承諾口座数を集計
サプライチェーンにおける環境への取り組み
野村グループでは、社会的使命を果たすために、野村グループから一定の業務を受託されているみなさまにも、「野村グループ行動規範」の趣旨をご理解いただき、遵守を要請しています。また、サプライヤーと当社が共同でCSR調達を実践していく行動指針としては「サプライヤーCSRガイドライン」を制定しており、商品・サービスをご提供頂くサプライヤーに対して、本ガイドラインへの署名を要請しています。