アドバイザリー&ファイナンス

野村グループは、お客様のニーズに合わせた商品・サービスの提供を通じて適切な資金循環を促し、経済成長と社会の持続的な発展に貢献することが金融サービス業の社会的役割であると考えています。また、グローバルに事業を展開する企業の責任として、気候変動問題や社会的課題の解決に資する金融サービスを提供するとともに、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けても取り組みを推進していきます。
ハイライト
サステナブル・ファイナンス実績
2026年3月までの5年間で合計1,250億ドルのサステナブル・ファイナンス案件に関与することを目指しています。
2022年3月期
214億ドル+
関与したサステナブル
関連M&Aの案件規模
2021年
118億ドル+
出所:Refinitiv
資金調達のサポートを通じた環境・社会課題への対応
野村グループは、グリーンボンド、ソーシャルボンドに代表される債券の引受・販売を通じて、社会に貢献したいという投資家のニーズと、社会課題の解決を目的としたプロジェクトにおける資金需要との橋渡し役を担っています。ESG投資の重要性が高まるなか、国内・海外においてサステナブル・ファイナンスに取り組んでおり、資本市場を活用したSDGsの達成に貢献しています。
野村證券は、2017年に引受部門の一つであるデット・キャピタル・マーケット部にESG専任チームを設置し、2018年には、グローバルな体制を構築しました。また、2022年には、サステナブル・ファイナンス部を新設し、サステナビリティ関連ビジネスへの取り組みをさらに強化しています。欧州、米州、アジアとグローバルに構築されたプラットフォームを活用し、海外におけるサステナブル・ファイナンスにおいても最適なソリューションを提供しています。
国内においては、2021年のNTTファイナンスのグリーンボンド、トヨタ自動車のサステナビリティボンド(ウーブン・プラネット債)、2022年には関西電力のグリーンボンドや、JFEのトランジションボンド、また福岡市のグリーンボンドや福祉医療機構のソーシャルボンドなどを引受けました。国内だけでなく、海外においてもSDGs債の引受に積極的に取り組み、マーケットの状況を共有し、お客様に有用な情報やご提案を届けられるように活動しています。
また、2020年3月には、日本エアーテックによるサステナブルFITs(新株予約権)の割当てを受けました。当新株予約権は、その資金使途が省エネルギー化による環境負荷の低減や感染症対策等の社会問題解決に貢献するとして、大手評価機関よりESGおよびSDGsの観点からセカンド・オピニオンを取得しています。このような客観的な外部評価を取得したエクイティ(新株予約権)の形態でのサステナブル・ファイナンスは、世界でも初めての事例となっています。
実績紹介
サステナブル関連分野におけるアドバイザリーおよびファイナンス業務の強化
サステナブル・プロダクトに対する需要拡大や社会的ニーズを踏まえ、サステナブル関連分野のソリューションを提供していきます。成長分野への投資を継続し、お客様の新たなニーズに対応していきます。
ノムラ・グリーンテックによるM&Aアドバイザリー・サービスの提供
2020年4月、野村グループは米国におけるサステナブル・テクノロジーとインフラストラクチャー分野でM&A助言のリーディング・ブティックである、グリーンテック・キャピタルを傘下に迎えました。新たなブランド「ノムラ・グリーンテック」を立ち上げ、環境関連の優れた技術を持つ成長企業と投資家をグローバルにつなぎ、エネルギー、輸送、食品、水、廃棄物などの社会インフラがより持続可能なシステムへ移行していくことをサポートしています。
2022年4月、 チームの再配置や外部からの採用を通じて、約150名のバンカーからなる「グリーンテック・インダストリアルズ&インフラストラクチャー(GII)」というチームを設置しました。お客様の事業ポートフォリオ再編による脱炭素化支援など、サステナビリティ分野におけるM&Aアドバイザリー・サービスを、グローバルに強化・推進していきます。

エネルギー関連インフラストラクチャーへのファイナンスの取り組み
サステナブル・ファイナンスの主力事業の一つであるエネルギー関連インフラストラクチャーに関するプロジェクトへのファイナンス(インフラストラクチャー&パワー・ファイナンス:IPF)について、2017年に専属チームをニューヨークに設けて以来、各地域において取り組みを強化しています。
サステナブル・ファイナンスの発展に向けて
サステナブル・ファイナンスの発展に向けて、国際基準の策定の推進やセミナーの開催など、さまざまな取り組みを行っています。
各種提言、ルール・メーキングへの参画
野村グループでは、専門性を持ったプロフェッショナルな人材が国や地域、部門を超えて連携し、知見の蓄積、市場や法規制動向のモニタリング、サステナブルな金融商品・サービスの拡充等を図るとともに、業界の活動にも積極的に参加しています。
当社は、国際資本市場協会(ICMA)のクライメート・トランジションファイナンス・ワーキンググループ、ソーシャル ボンド・サステナビリティ・リンク・ボンド・ワーキンググループの活動に参画するほか、ロンドン証券取引所のサステナブル・ボンド・マーケット・アドバイザリーグループ、サステナブル・ファイナンスに関する政府や日本証券業協会等の各種団体のメンバーとして、サステナブル・ファイナンスの分野におけるルール・メーキングにも積極的に関わること で、サステナブル・ファイナンス分野全体の活性化にも貢献しています。
セミナー等を通じたESGリテラシーの向上
野村グループは、有識者によるサステナブル・ファイナンスのセミナーを数多く実施しています。機関投資家や事業会社をはじめ、さまざまなお客様に最先端の情報提供を行うことで、サステナブル・ファイナンスの拡大に努めています。また、グリーンボンド等に関する国際会議に登壇するなど、市場の発展に向けた社外での取り組みにも積極的に参画しています。また、オンラインセミナーやカンファレンスの開催など、グローバルで幅広い層に向けた情報発信にも取り組んでいます。