グループCEO永井浩二メッセージ

「お客様」「株主」「従業員」の満足度向上のため、変革と挑戦を続けます。グループCEO 永井浩二

これまでを振り返って

2012年8月のグループCEOへの就任から4年が経過しました。

就任当時、野村グループは不祥事の直後ということもあり、お客様からの苦情や低迷する株価に対するご不満の声がいつになく高まっており、社内にも閉塞感が感じられ、経年劣化した組織の常として、これらステークホルダーの満足度が著しく低下しているように感じられました。そこで、私は、まず、「お客様」「株主」「従業員」という3つのステークホルダーの満足度向上を自らのミッションに掲げるとともに、この組織を根底から創りかえることを宣言しました。

まず、お客様の満足度の向上に向けて、商品ありきの営業スタイルなどで当社の都合を押し付けるのではなく、お客様の声に真摯に耳を傾け、お客様から真のパートナーに選ばれなければならないと考え、「すべてはお客様のために」という基本観を打ち出しました。例えば、個人のお客様のニーズは、金融資産だけでなく、不動産をはじめ資産全体に及んでおり、このニーズに対応できるよう、組織を新設したほか、コンサルティング能力を向上させるべく、研修にも力を入れることとしました。

また、従業員の満足に向けて、一人ひとりが、ワクワクしながら、仕事に打ち込めるよう、まずは、組織の壁、部門の壁を壊して、風通しの良い組織に創りかえることといたしました。組織の若返り(キープヤング)を図り、部門を越えた人事異動等を積極的に行っただけでなく、全従業員に対して、野村グループの現状認識を調査するサーベイを定期的に実施することとしました。また、リスクに対する会社のスタンスを全社員が共有し行動するリスク・カルチャーの普及促進などにも取り組んできました。

一方、株主のみなさまに対しては、株価そのものをコミットすることはできませんでしたので、2度の増資とその後の利益水準の低迷により、一桁台まで低下してしまったEPSを、2016年3月期までに、少なくとも増資前のレンジの下限の水準である50円に戻すことをコミットし、この目標は、お陰様で、二年前倒しで達成できました。

創業の精神と野村の企業文化

写真:グループCEO 永井浩二

野村ホールディングスは2015年12月に創立90周年を迎えました。野村ホールディングスの前身である野村證券が設立されたのは、1925年のことですが、野村グループの歴史を振り返りますと、1872年に両替商として設立された野村徳七商店にその源流を辿ることができます。

野村グループは、戦前、創業の両替商からコングロマリットへ業容を拡大し、戦後の財閥解体を経て、高度経済成長期においては、本格的な海外展開に打って出ました。その後、金融自由化の流れを受けて、証券業から、野村ホールディングスを中核とする総合金融サービスグループへ舵を切る等、我々は時代の要請、時代の変化に合わせて、常に新たな挑戦を続けてきました。

私たちが90年の永きにわたり、存在し得たのは、予測すらままならない「市場」と対峙することを「生業」とするなかで、「常に自らの変革に挑戦していく」という生き抜く術を自ずと身につけてきたからであると思います。

また、野村グループには「創業の精神十カ条」があります。先ほど申し上げた「すべてはお客様のために」という基本観も、十カ条の一つである「顧客第一の精神」を表したものです。この基本観をもとに、変革し続けることは、これからの野村グループにとって大変重要なことだと思います。

創業の精神と同じく重視しているのが企業倫理です。2012年の一連の公募増資インサイダー事件によって、社会からの信頼を損ねたという事実とそこから得られた教訓をグループ内で風化させることのないよう、2015年には「野村『創業理念と企業倫理』の日」を制定しました。創業の理念に立ち戻り、全役職員が野村の歴史と社会的責任の重さを定期的に再確認したいと考えています。

新たな成長に向けたアクション

2014年8月、野村グループでは2020年3月期をターゲットとする長期経営ビジョンを策定しました。当社を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化していくと予想されますが、我々は、この変化を絶好の機会(Chance)として捉え、我々自身も果敢に変革(Change)していくという思いを込めて、この二つのCを用いて、「Vision C&C」というスローガンを掲げました。

このビジョンのもとで、(1)国内におけるビジネスモデルの変革と、(2)海外の収益性のさらなる改善、という二つの大きなテーマに取り組み、いかなる環境においても持続的な成長を果たせるよう、各部門において、そのための基盤づくりに取り組んでいます。

営業部門においては、「お客様の信頼の獲得」と「ビジネスの拡大」の両立を目指し、お客様一人ひとりのニーズにあった商品やサービスの提供に努めています。特に、ビジョン実現に向けたKPI(主要な業績評価指標)として、2020年までに「顧客資産残高150兆円」「ストック収入費用カバー率※1 50%程度」の達成を掲げており、2016年3月末時点での顧客資産残高は100.6兆円、ストック収入費用カバー率は25%と順調に進捗しています。

アセット・マネジメント部門でも、「運用資産残高50兆円+α」の目標に向けて着実に前進しております。2015年12月に発表したアメリカン・センチュリー・インベストメンツ社との戦略的提携を通じて、グローバルな資産運用会社への成長を加速させていく考えです。

ホールセール部門では、収益性のさらなる改善に向けて、コストを厳格に管理しながら、当社のグローバル・シェアを3%台後半まで上昇させるべく、さまざまな取り組みを進めてきました。

しかし、足元の状況を見ますと、各国金融政策による影響や地政学上の不透明感が高まる一方で、市場に流動性を提供する「リクイディティ・プロバイダー」の役割を担ってきた欧米の同業他社が、規制対応等のためにビジネスを大幅に縮小した結果、マーケットの値動きが大きくなり、市場全体の流動性が、我々の想像以上に枯渇しだしています。

このようなビジネス環境が当面続くとの保守的な前提のもと、選択と集中を加速させ、コスト水準を大幅に引き下げることにしました。具体的には、日本を含むアジア地域では現状のビジネスラインを維持する一方、欧州・米州では一部ビジネスの閉鎖や合理化を進めることとしました。引き続き、いかなる環境においても、しっかりと利益を確保できるよう、収益性の改善に努めていきます。

1 営業部門総費用に対するストック収入の割合。ストック収入は投資信託の信託報酬など、お客様からお預かりした資産に対する継続的なサービスによる収入

2020年3月期 経営目標 EPS 100円

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

2020年3月期経営目標を達成するための主要な業績評価指標(KPI) 2020年3月期
3セグメント税引前当期純利益 4,500~4,700億円
部門別 営業部門 税引前当期純利益
顧客資産残高
ストック収入費用カバー率
1,950~2,050億円
150兆円
50%程度
アセット・マネジメント部門 税引前当期純利益
運用資産残高
500~550億円※3
50+α兆円※2
ホールセール部門 税引前当期純利益
フィープール・シェア
2,000~2,200億円※2
3%台

持続的な成長のために必要なこと

資本市場において適切な資金循環を促す証券業をベースに、経済の成長や社会の発展に貢献していくことが野村グループの社会的使命です。本業のみならず、日本の金融資本市場の拡大や金融リテラシー向上のために、金融・経済に関する教育機会の提供を全国で展開するなど、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。また、国際社会においては、2015年より「国連グローバル・コンパクト」に参加しています。国連が提唱する自主行動原則を支持し、「創業の精神」と「野村グループ倫理規程」に基づきながら、持続的な成長に向けた取り組みを推進しています。

今日、ステークホルダーとのコミュニケーションの重要性はさらに高まりを見せています。透明性の高いコーポレート・ガバナンスは、ステークホルダーの満足度を高めるために必要不可欠な要素の一つと考えています。

2016年3月期には、さまざまなステークホルダーの立場を踏まえ、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みとして、新たに「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」も制定しました。

変革と挑戦への思い

2020年はもとより、野村グループが創立100周年を迎える2025年には、私たちを取り巻く環境は大きく変化していることでしょう。野村グループは、どのような環境下であっても、持続的な成長を実現すべく、自らを変革し続けるとともに、1,700兆円を超える個人金融資産を有する我が国において、「貯蓄から投資へ」の流れを後押しすることを通じて、経済の成長と社会の発展に貢献してまいりたいと思います。

野村グループの新たな変革と挑戦に、どうぞご期待ください。

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