日本企業ボトムアップ企業業績見通し集計(20~21年度)
-20年度予想の下方修正に歯止めがかかった-
論文2020年12月7日
野村證券 市場戦略リサーチ部 マクロ・ストラテジーグループ
目次
- I.要約/業績予想主要前提
- 2020年度予想の概要
- 2021年度予想の概要
- II.業種別・経常増減益寄与率
- 2020年度予想の概要
- 2021年度予想の概要
- III.経常利益予想修正(前回予想からの修正)
- 2020年度予想の概要
- 2021年度予想の概要
- IV.集計表
I. 要約/業績予想主要前提
- アナリストの予想によれば、2020年度はRussell/Nomura Large Cap(除く金融)で前年度比9.6%減収、同18.3%経常減益である。経常利益は19年度の前年度比22.3%減益に続き、2期連続で厳しい業績悪化を見込む。前回予想(9月1日時点)と比べると、増収率はほぼ同水準、経常増益率は改善したが、ソフトバンクグループの投資ファンド事業の影響が大きい。ただし、輸出の回復や企業の費用削減努力なども、業績予想の下方修正に歯止めをかける要因となった。
- Russell/Nomura Large Cap(除く金融)の20年度第2四半期決算は、前年同期比10.3%減収、同17.1%経常減益であった。厳しい決算ではあったが、減収率、経常減益率は20年度第1四半期に比べて改善した。
- 2020年度の為替レート前提は、ドル円が1ドル105.90円(前回前提106.38円)、ユーロ円が1ユーロ122.13円(前回前提120.35円)と、ドル円を円高方向に、ユーロ円を円安方向に修正した。
- 上方修正企業と下方修正企業の比率の差を示すRussell/Nomura Large Cap(除く金融)のリビジョン・インデックス(RI)は、2020年12月(対象は9月2日から12月1日)で+7.2%と上方修正超過となり、2020年9月(同6月1日から9月1日)の-23.9%から改善した。RIがプラスとなったのは9四半期ぶりである。
- 2020年度のRussell/Nomura Large Capの配当総額は、新型コロナで厳しい事業環境を反映して、前年度比で減少する見通しだ。また、増配企業の比率は減配及び無配企業の比率を6.1%ポイント下回った。もっとも、予想税引利益が2桁減益であることを踏まえると、可能な限り配当を維持しようとする企業の姿勢に変わりはないと判断してよいだろう。
- アナリストの予想によれば、2021年度はRussell/Nomura Large Cap(除く金融)で前年度比7.6%増収、同42.2%経常増益である。国内外で、新型コロナによって停滞した経済活動が正常化に向かうことを前提に、3期ぶりの経常増益を見込む。ただし、従前の予想と比べると増収率、経常増益率は縮小しており、従来よりも緩やかなペースの業績回復を予想している。
- 2021年度の為替レート前提は、ドル円が1ドル105.00円(前回前提106.00円から円高方向)、ユーロ円が1ユーロ123.00円(前回前提121.00円から円安方向)に、それぞれ修正した。
本レポートは、野村證券アナリストによる企業業績予想を集計し、その集計結果を分析したものである。
【2020年度予想の概要】
【2021年度予想の概要】