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松山英樹 アジア人初のメジャー2勝目なるか
「全米プロ」5月18日開幕

野村ホールディングスがスポンサー契約を結ぶ松山英樹選手が、アジア人初となるメジャー2勝目を目指し出場する「全米プロゴルフ選手権」が5月18~21日に開催されます。文字通り、プロゴルファーのみで争われる本大会は、他のメジャー3大会とは若干違う特色があります。今年の舞台はPGAツアー最多勝の2人が絶賛した、ニューヨーク州ロチェスターのオークヒルカントリークラブ(CC)です。

プロゴルファーのみで争われる唯一のメジャー

ゴルフの4大メジャーは他に「マスターズ」「全米オープン」「全英オープン」があり、各大会ともアマチュアの出場枠を設けています。

対して「全米プロ」は全米プロゴルフ協会(PGAオブ・アメリカ、Professional Golfers’ Association of America)の主催者名が示す通り、プロゴルファーのための大会です(PGAツアーと名称は似ていますが別組織)。他のメジャー大会と同様、出場選手のほとんどは松山選手などPGAツアーのメンバーですが、違うのは「クラブプロ」の上位20選手が全米プロへの出場資格を得られるようになっていること。全米プロゴルフ協会に所属するクラブプロは一般的にはゴルフクラブに勤務し、来場客の対応をしたり、スタート時間の管理やレッスンをするのが役割です。「よく行くゴルフ場のプロがメジャーに出ていた!」ということがあるのがこの大会の特徴です。

最多勝のスニードとタイガーが絶賛したコース

毎年開催コースが変わる大会の今年の舞台はオークヒルCC。ニューヨークの中心部マンハッタンからは北西に約500キロ、オンタリオ湖やナイアガラの滝も近いロチェスターにあります。アメリカで行われる主要競技(全米オープン、全米プロ、シニアオープン、シニアプロと全米アマチュア)、さらにはアメリカとヨーロッパの団体対抗戦であるライダー・カップを開催した実績のあるこのコースは、PGAツアー最多の通算82勝で並ぶ故サム・スニードとタイガー・ウッズが絶賛しています。

スニードは1941年に開催されたPGAツアー「ロチェスター・タイムズ・ユニオン・オープン」で優勝した際に「間違いなく、今まで見た中で最も素晴らしいコースのひとつだ」と語りました。そしてウッズは2003年の「全米プロ」で「これまでプレーしたコースで最も難しく、最もタフだった」と難易度が高く仕上げられたことに賛辞を送りました。ゴルフ史上最強の2人が最大級の評価をしたコースは、今年はどんなセッティングで選手を迎えるのでしょうか。

アジア人とは好相性の大会

全米プロは、メジャーの中では日本人を含めたアジア勢には好相性の大会だといえます。

まだアジア人のメジャー制覇達成者がいなかった20年ほど前のこと。PGAツアーで松山選手と並ぶアジア人最多の通算8勝を誇るK・J・チョイ(崔京周、韓国)は「全米オープンや全英オープンはラフが深くて厳しい。自分がメジャーで勝てるとすればラフがないマスターズか、全米・全英両オープンに比べセッティングが厳しくない全米プロのどちらか」と話していたことがありました。自身でのメジャー制覇は叶いませんでしたが、2009年の全米プロでY・E・ヤン(韓国)がアジア人として初めてメジャー制覇を達成。また2020年の全米プロでは、日本と中国の血を引くコリン・モリカワ(米国)が優勝しました。

前回のオークヒルで、松山は優勝者と同じバーディー数

2013年にオークヒルCCで開催された全米プロには松山選手も出場していました。成績は通算1アンダーの19位だったものの、4日間で奪ったバーディー数「16」は、通算10アンダーで優勝したジェイソン・ダフナーと同じ。この数字は間違いなくコースとの相性がいいことを物語っています。近年の全米プロでの松山選手は、2016年に4位、翌2017年は最後まで優勝争いをして5位。日本はもちろん、アジアでは前人未到のメジャー2勝目に期待が高まります。

文:森伊知郎

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