コーポレート・ガバナンス | 役員報酬について
取締役および執行役ごとの報酬等の総額
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
役員区分 | 人数 (注1) |
固定報酬 | 業績連動報酬等 | 計 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
ベースサラリー (注2,3) |
現金賞与 | ファントム・ ストックプラン (注4) |
譲渡制限株式 ユニット (注4) |
|||
取締役 (うち、社外) |
13名 (10名) |
389百万円 (217百万円) |
116百万円 (-) |
221百万円 (-) |
- (-) |
726百万円 (217百万円) |
執行役 | 8名 | 598百万円 | 1,206百万円 | 2,412百万円 | 241百万円 | 4,457百万円 |
合計 | 21名 | 987百万円 | 1,322百万円 | 2,633百万円 | 241百万円 | 5,183百万円 |
(注)
- 上記人数には、2023年6月に退任した取締役1名、ならびに6月に就任した取締役2名を含んでおります。期末日現在の人員は、取締役11名、執行役8名です。なお、取締役と執行役の兼任者については、上表では執行役の欄に人数と報酬を記入しております。
- ベースサラリーのほか、その他の報酬(通勤定期券代等)として支給された報酬27万円が含まれております。
- 執行役に対して社宅関連費用(社宅課税額および課税調整額等)として16百万円を支給しております。
- 当事業年度以前に付与された繰延報酬のうち、当事業年度において会計上の費用として計上された金額を示しております。
なお、2024年3月29日の報酬委員会において適用開始を決議した長期インセンティブプランの費用は、2025年3月期より業績評価期間にわたり計上されるため、上記には含まれておりません。 - 上記のほか、当事業年度において、社外取締役に対し、当社の子会社の役員としての報酬等を当該子会社が合計76百万円支給しております。
業績連動報酬等に関する事項
業績連動報酬等の算定方法
- 取締役および執行役の報酬は固定報酬と業績連動報酬等に区分され、固定報酬はベースサラリー、業績連動報酬等は年次賞与と長期インセンティブプランで構成されております。
- 代表執行役社長グループCEOについては、野村グループの業務執行の責任を負う職責にあることから、定量的な要素および国内外の主要競争地域における報酬水準等の定性的な要素を勘案し、固定報酬および業績連動報酬等から構成される総報酬額(TC:Total Compensation)を決定しております。
- その他の取締役および執行役については、代表執行役社長グループCEOの報酬を基準として、職位・職責および国内外のそれぞれの報酬規制・水準などを加味し、定性的な要素も考慮のうえ、TCを決定しております。
業績連動報酬等の算定に用いた業績指標
定量的な要素
野村グループの経営ビジョンやビジネス戦略との整合性を担保するため、野村グループ経営上の重要指標やその算定基礎となる業績指標を選定しております。また、株主との利益の一致を促進するため、株価関連指標を選定しております。
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
区分 | 概要 | 実績値 |
---|---|---|
損益 | 収益合計(金融費用控除後) | 15,620億円 |
経費率(注1) | 82.5% | |
税引前当期純利益 | 2,739億円 | |
一株当たり情報 | EPS | 52.69円 |
資本効率 | ROE | 5.1% |
株主還元 | 株主総利回り (以下「TSR」)(注2) |
196.3% |
(注)
- 金融費用以外の費用を収益合計(金融費用控除後)で除した値
- 当事業年度における株価の変動および配当金の合計を前事業年度末の株価で除した値
定性的な要素
野村グループの企業価値向上および持続可能な社会の実現を促すための戦略マネジメント、およびコミュニティ、人材ならびにDEIに関する取組みを評価項目として選定しております。
株式関連報酬および非金銭報酬等に関する事項
現在の株式関連報酬
現在の株式関連報酬は下表のとおりです。
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
種類 | 概要 |
---|---|
譲渡制限株式ユニット (以下「RSU」) |
|
ファントム・ストックプラン (以下「NSU」) |
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業績連動型株式ユニット (以下「PSU」) |
|
非金銭報酬等に該当する株式関連報酬
当社においては、取締役および執行役の年次賞与の半額を繰延報酬としており、支給にあたっては、原則として非金銭報酬等に該当するRSUを用いております。また、2024年3月期より長期インセンティブプランとしてPSUを導入いたしました。
PSUの導入
2024年3月29日の当社報酬委員会において、長期インセンティブプランとしてPSU(Performance Share Unit)の導入を決議しました。PSUの導入は、当社の中長期的な企業価値の向上および株主のみなさまとの利益の一致をより一層図ることを目的としています。当社のPSUでは、始めに、前事業年度の業績等に応じて支給する基準株数を決定します。その後、3事業年度の業績指標の実績に応じ、基準株数に0%~150%の支給率を乗じて最終的な支給株数を確定します。確定した支給株数分の当社の普通株式等を、主に自己株式の処分により交付します。なお、評価に使用する業績指標はROEおよびTSRを選定しています。詳細は下記をご参照ください。
評価に使用する業績指標
当社の中長期的な企業価値の向上および株主のみなさまとの利益を一致させるため、ROE(業績評価期間の平均値)とTSR(業績評価期間の絶対値)を組み合わせて使用することとします。
基準株数および支給株数の算定方法
(1)基準株数の算定方法
対象事業年度の業績および国内外の主要競争地域における報酬水準等の定性評価を勘案して決定した金額を、付与時期における当社の普通株式の株価により除し得られた株数を基準株数とします。
(2)支給株数の算定方法
業績評価期間終了後、下記の算定方法に従って支給株数を算出します。
1)業績指標および支給率
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
業績指標 | 構成比 | 支給率の変動幅 | 評価方法 |
---|---|---|---|
ROE | 50% | 0%~150% | 業績評価期間3年間の実績値(平均値)により算出 |
TSR | 50% | 0%~150% | 業績評価期間3年間の実績値(絶対値)により算出 |
業績評価の基礎となるROEおよびTSRの計算方法は以下のとおりです。
<ROE>
業績評価期間3年間の実績値(平均値)が野村グループの経営指標として掲げる8%に達した場合、基準株数が支給されます。一方、当該実績値が付与対象年度を含む過去3事業年度の最低値または3%のいずれか大きい値を超えない場合は支給が発生しません。なお、当該実績値が5%に達した場合に基準株数の50%が支給され、12%以上に達した場合は基準株数の150%が支給されます。
<TSR>
業績評価期間3年間の実績値(絶対値)が125%に達した場合、基準株数が支給されます。一方、当該実績値が100%以下の場合は支給が発生しません。また、当該実績値が150%以上に達した場合、基準株数の150%が支給されます。当該実績値の計算過程は下記のとおりです。
3年保有TSR=(最終株価(B)+業績評価期間中の配当額)÷当初株価(A)
A:当初株価(業績評価期間開始前1ヵ月の平均株価終値)
B:最終株価(業績評価期間終了前1ヵ月の平均株価終値)
2)支給株数の算定方法
支給株数は、基準株数にROEに基づく支給率とTSRに基づく支給率の平均を乗じることで算出します。なお、2024年3月期のPSUにかかる基準株数は782,100株であり、支給率150%の株数は1,173,200株です。
3)業績評価期間および支給スケジュール
業績評価期間は、PSUの基準株数を決定した事業年度より3年間とします。業績評価期間が終了し評価項目の実績が確定した後、上記の算定方法により確定した支給株数分の当社の普通株式等を株式報酬として支給します。
交付方法
主に自己株式の処分により交付するものとします。
株式関連報酬を繰延報酬として支給することによる効果
株式関連報酬を繰延報酬として支給することにより、報酬の経済的価値が当社の株価にリンクされ、一定の受給資格確定期間が設けられること等によって、以下の効果を期待できます。
- 株主との利益の一致
- 付与から受給資格確定までの一定の期間に、株価の上昇により受給時の繰延報酬の経済的価値が増大し得る機会を与えることによる中期インセンティブ、およびリテンション
- 中長期的な企業価値の向上という共通の目標を与えることによる部門を越えた連携・協力の推進
繰延報酬にはこのようなメリットがあるため、主要各国の規制当局からも積極的な活用が推奨されています。なお、野村グループにおける繰延報酬については、FSB(金融安定理事会)が公表している「健全な報酬慣行に関する原則」の推奨に基づき、繰延期間を原則として翌事業年度以降から3年以上としております。
報酬委員会による取締役および執行役が受ける個人別の報酬の内容の決定に関する事項
方針の決定の方法
当社は指名委員会等設置会社であるため、会社法の定めるところにより、報酬委員会が「野村グループの報酬の基本方針」および「取締役および執行役にかかる報酬の方針」を定め、報酬委員会において、その妥当性を審議した上で決定しております。
野村グループの報酬の基本方針
野村グループの報酬の基本方針は以下のとおりです。
野村グループ人材(当社の取締役および執行役を含め、野村グループのすべての役職員をいう。以下同じ。)に対する報酬の基本方針として、「野村グループの報酬の基本方針」(以下「本基本方針」)を以下のとおり定める。
報酬のガバナンス
当社は指名委員会等設置会社であり、会社法の定めるところにより、その過半を社外取締役とする委員で構成される独立性の高い報酬委員会を設置している。報酬委員会は、本基本方針および「野村ホールディングスの取締役および執行役にかかる報酬の方針」を定め、これらの方針に従い、当社の取締役および執行役の個人別の報酬の内容を審議・決定する。
当社の取締役および執行役以外の野村グループの役職員の報酬に関する各種方針および報酬総額等は、経営会議から人事・報酬に関する一定の権限を委任され、代表執行役社長グループCEOを委員長、財務およびリスク管理の観点も踏まえて委員長が選任する者を委員とする「人事委員会」が、各地域における人事・報酬に関する委員会等と連携のうえ、これを審議・決定する。
報酬委員会は、1934年米国証券取引所法等を遵守するために「報酬返還に関する方針」を定め、日本法に基づく当社の法定の役員である対象役員の報酬に関する事項を決定するものとし、人事委員会は当該方針の管理、運用、解釈および運営を行うものとする。
野村グループ人材に対する報酬のあり方
野村グループは、野村グループのパーパスに定める「金融資本市場の力で、世界と共に挑戦し、豊かな社会を実現する」という存在意義を追求するうえで、人材こそが最も重要であると認識している。
野村グループ人材に対する報酬は、野村グループの持続的な成長の実現と中長期的な企業価値の向上および健全かつ効果的なリスク管理を達成しつつ、株主との利益の一致を実現することを目的として設計する。また、報酬の水準と体系は、優秀な人材を確保・維持し、動機付け、育成するため、個人の役割・責任および国内外それぞれの報酬規制・水準等を加味したものとする。
(1)持続的な成長と中長期的な企業価値の向上
野村グループ人材に対する報酬は、企業理念の実現、「野村グループ行動規範」に沿った企業文化・行動の促進およびより広範な「ESG(環境・社会・ガバナンス)」への幅広い取組みに資するものとする。
また、ペイ・フォー・パフォーマンスの原則に基づき、健全かつ市場競争力のある報酬慣行を確保しつつ、野村グループのビジネス戦略および長期的な利益の実現を支援し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すものとする。
(2)健全かつ効果的なリスク管理
野村グループは、適切なリスク・アペタイトを設定のうえ健全かつ効果的なリスク管理態勢を構築し、報酬を決定する際に参照する主要なビジネスの業績の測定基準および指標について各ビジネスにおける財務および非財務リスクの多寡に応じて調整を行う。また、これらの定量的な要因に加え、最終的な報酬額の決定および減額に際しては、コンダクト、コンプライアンス、職業倫理および企業理念といった定性的な要因を重視する。また、報酬の付与にあたっては、財務諸表の重大な修正、適用法令および野村グループの規程に対する重大な違反等に該当する場合、報酬が減額、停止、権利喪失、取消し、他の報酬との相殺または支給後の返還の対象となること(いわゆる「クローバック」)を定める。
(3)株主との利益の一致
一定以上の報酬を受け取る野村グループ人材については、その報酬の一部を、当社の株式に連動し、かつ適切な繰延期間を設けた株式関連報酬等とすることで、株主との利益の一致を図る。
本基本方針の改廃
本基本方針の改廃は、報酬委員会の決議による。
取締役および執行役にかかる報酬の方針
上記の野村グループの報酬の基本方針を受けて、取締役および執行役にかかる報酬の方針を以下のとおり定めております。
取締役および執行役の報酬は固定報酬と業績連動報酬等に区分され、固定報酬はベースサラリー、業績連動報酬等は年次賞与と長期インセンティブプランで構成されるものとする。なお、中長期的な企業価値向上のインセンティブを付与し、かつ株主との利益の一致を図ることを目的として、報酬の一部を所定の繰延期間を設けた株式関連報酬によって支払う。
<取締役および執行役の報酬の構成>
固定報酬 | 業績連動報酬等 | |
---|---|---|
ベースサラリー | 年次賞与 | 長期インセンティブプラン |
固定報酬
- ベースサラリーは、各取締役・執行役の経歴・職歴および職位ならびに関連する業界の水準等を参考に、現金による固定報酬額として決定する。
業績連動報酬等
- 代表執行役社長グループCEOについては、野村グループの業務執行の責任を負う職責にあることから、野村グループ経営上の重要指標やその算定基礎となる業績指標の実績値に基づき報酬の基礎額を算定し、これに国内外の主要競争地域における報酬水準等の定性的な要素も考慮して、金額を決定する。
- その他の取締役および執行役については、代表執行役社長グループCEOの報酬を基準として、職位・職責および国内外それぞれの報酬規制・水準等を加味し、定性的な要素も考慮のうえ、金額を決定する。
- 監査委員である取締役および社外取締役については、業務執行からの独立性を維持および担保する観点から、支給対象外とする。
(ア)年次賞与
- 年次賞与の支払いにおいては、一定の割合を将来に繰延べることを原則とする。
(イ)長期インセンティブプラン
- 長期インセンティブプランは、一定の業績を達成した場合に支払われるものとする。
- 長期インセンティブプランの支払いにおいては、株式関連報酬等を利用する。
報酬の付与にあたっては、自己都合での退任、財務諸表の重大な修正、適用法令および野村グループの規程に対する重大な違反等に該当する場合、報酬が減額、停止、権利喪失、取消し、他の報酬との相殺または支給後の返還の対象となること(いわゆる「クローバック」)を定める。