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2024年 ゴルフ界のホットな「キーワード」を解説

ゴルフを見ていて、聞きなれない言葉や話題が出てくることはないでしょうか?今回は世界のゴルフ界でホットな話題をとりあげ、押さえておきたいポイントを紹介します。

超高額賞金の新リーグ「LIV」 ウッズとマキロイが設立する「TGL」

2022年、アメリカPGAツアーや欧州ツアーなどとは一線を画す「新リーグ」としてスタートしたのが「LIV(リブ)ゴルフ」でした。「LIV」はローマ数字で「54」の意味。世界の主要ツアー大会が4日間・72ホールで開催されるのに対して「LIV」は3日間・54ホールで完結します。またゴルフの特徴であると同時に弱点でもある「試合時間が長い」ことを解消するために、54人の出場選手が一斉にスタートする「ショットガン方式」を採用。通常の半分程度である5時間弱で終わるようになりました。個人戦とは別に4人で構成される「チーム」での成績を争うのもこれまではなかったスタイルです。また、賞金は超高額。2023年シーズンは1試合の賞金総額が2500万ドル(1ドル=140円換算で約35億円)で、獲得賞金額トップのテイラー・グーチは1732万ドル(同約24億円)を稼ぎました。

タイガー・ウッズとローリー・マキロイが設立し2024年にスタート予定だったのが「TGL」。3人1組の6チームが、ツアーの行われない月曜日に15ホールのマッチプレー形式で対戦します。会場はゴルフ場ではなく、広さ25万平方フィート(約2万3000平米=約7000坪)の屋内施設。ティーショットなど長い距離のショットはシミュレーションゴルフで飛距離や方向を計測し次打の状況を算出。ピンまで残り50ヤード以下とパットは実際に打ってスコアを競います。TGLにはウッズ、マキロイの他にスコッティ・シェフラーやパトリック・キャントレー、ザンダー・シャウフェレなどのトップ選手が参加を表明しています。今年開幕予定でしたが、施設の不具合により2025年に延期されました。

4年後、ボールが飛ばなくなる!?

世界のゴルフ規則を統括するR&A(ロイヤル・アンド・エンシェント)とUSGAは、2028年からボールに関する規則を改訂することを発表しました。簡単に言うと「現在より飛ばなく」なり、ドライバーでの飛距離ダウンはトッププロなどの「飛ばし屋」で10~15ヤード、一般ゴルファーでは3~5ヤードほどと予測されています。ルール改訂の最大の理由は、年々伸びるプロゴルファーの飛距離に対応するため。PGAツアーのスタッツでは昨2022~23年シーズンの全選手の平均飛距離は299.9ヤードで、97人が平均300ヤードを超えていました。しかし20年前(2003年)は、平均300ヤード超えはわずか9人で全体の平均は285.9ヤード。10年前(2013年)でも平均が300ヤードを超えたのは13人、全体平均は287.5ヤードなので、近年の伸びがいかに驚異的かがわかります。この飛距離アップに対抗するにはコースを長くするしかありませんが、それには多額の費用がかかります。「マスターズ」を開催するオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは13番パー5を延長するために隣接コースの土地を約45億円とも言われる費用をかけて買収しましたが、このような対応が可能なのは稀。そこでボールを規制してコースを伸ばすのと同等の効果を得ようとしているのです。このルール、一般ゴルファーにも適用されますが、それは2030年から。ただし「競技」に出ないほとんどのアマチュアは今のボールを使い続けて問題ありません。

往年の名選手がズラリと揃う、シニアツアー 2年後にはウッズも参戦!?

スポーツ選手の最大の敵は「加齢による衰え」。どんな名選手でもピークを過ぎると徐々にパフォーマンスが低下することは避けられません。それがゴルフでは、満50歳になると「シニアツアー」の出場資格が得られるので、"もう一花咲かせる"機会が多くあります。2020年にはフィル・ミケルソンがデビュー戦から2連勝という快挙を成し遂げました。このシニアツアー、アメリカでは往年の名手たちが集うとの意味合いで「チャンピオンズ・ツアー」と名付けられています。その名の通りかつてのスター選手がズラリと揃っていますが、レギュラーツアーと違って「お客様を楽しませる」考えが徹底されているため雰囲気は非常にフレンドリー。ちょっと気が早い話ですが、タイガー・ウッズが約2年後の2025年12月30日に50歳となります。2026年以降にチャンピオンズ・ツアーに参戦するのか、そして参戦した際にどんなプレーを見せてくれるかが注目されるところです。

文:森伊知郎

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