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米国におけるベンチャー・デット・ファンドの立ち上げとオサロInc.への融資について

2021年4月7日

野村ホールディングス株式会社

Nomura Holding America Inc.(ノムラ・ホールディング・アメリカInc.)の子会社であるNomura Strategic Ventures, LLC(ノムラ・ストラテジック・ベンチャーズLLC、以下「NSV」)は、NSVが運営するベンチャー・デット・ファンド※1Nomura Strategic Ventures Fund 1, LP(ノムラ・ストラテジック・ベンチャーズ・ファンド1 LP、以下「NSVファンド1」)を2020年に米国で立ち上げ、このたび、Osaro Inc.(オサロInc.)への融資(以下「本案件」)を実行することを決定しましたので、お知らせします。

NSVは、NSVファンド1の運用や、野村グループの米国ファイナンシャル・イノベーション・オフィスの投融資業務を行う会社です。NSVファンド1は、アーリーステージからミドルステージ※2のスタートアップ企業を対象とするベンチャー・デット投資を行います。ベンチャー・デットは、例えば転換社債や新株予約権付ローンなど、成長企業による資金調達の手法の一つであり、欧米では広く普及しています。また、NSVは投融資を実行するだけでなく、スタートアップ企業のビジネス開発を促進し、主に日本市場への参入を求める米国企業のゴー・トゥ・マーケット(製品市場投入)戦略や日本企業との協業を支援するために、戦略的にベンチャー・デットを提供します。

本案件の実施により、オサロInc.は株式の希薄化を最小限に抑えながら、機動的な資金調達が可能となり、野村グループは本案件を通じて同社の日本企業との協業や、日本市場への参入という戦略目標を支援します。

野村グループは、パブリックに加えてプライベート領域におけるビジネスの拡充を図っており、本件もその戦略の一環です。また、資金調達やM&Aアドバイザリーの提供等により、お客様のグローバルな成長を支援しています。2020年9月に公表した野村SRIイノベーション・センターにおける取組み※3とあわせて、今後も、優れた米国のスタートアップ企業と日本企業をつなぐ橋渡し役を担いながら、お客様のイノベーション推進や事業拡大を支援します。

本案件の概要

投融資主体 NSVファンド1
投融資対象企業 Osaro Inc.は、産業オートメーション向けのAIソリューションやソフトウェアを開発する在サンフランシスコのスタートアップ企業で、物流の運搬管理の分野等において、ロボティック・オートメーション・ソリューションの設計と導入を行っています。同社のオートメーション・システムは、構造解析(オブジェクト認識)のための高度なマシンラーニングと、動作を制御する強力なソフトウェアを組み合わせ、信頼性の高い生産的な産業オートメーションを実現します。
投融資形態 成長資金融資※4
投融資金額 300万米ドル

1 成長が期待されるスタートアップ企業を対象に、ローンなどデット・ファイナンスによる投融資を行うファンドです。

2 アーリーステージとは一般に起業直後の段階、ミドルステージは単月黒字を達成するなど事業が軌道に乗りはじめる段階を指します。

3 2020年9月23日付ニュースリリース「『野村SRIイノベーション・センター』の設立について」をご参照ください。

4 ベンチャー・キャピタルの支援を受けるスタートアップなどの成長企業によって利用される転換社債やローンの一形態で、株式による資金調達ラウンドの合間に運転資金等をつなぐため、また希薄化を抑える目的で利用されます。一般的に、ローンは借り手企業の資産で担保され、返済期限は3年程度、また資金使途は自由です。また、ローン提供者へワラント(新株予約権)が付与され、借り手企業の価値増大からリターンが得られる仕組みを有しています。成長企業による負債での資金調達をベンチャー・デットと呼びますが、成長ステージが進んだ企業に対するベンチャー・デットは一般的に成長資金融資(Growth Capital Term Loan)と呼ばれています。

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