欧州議会と欧州連合理事会によるEUタクソノミー規制案に関する合意
-サステナブルファイナンスの基軸が本格導入へ-

野村資本市場研究所 江夏 あかね

要約

  1. 欧州議会は2019年12月17日、欧州連合(EU)のタクソノミー規制案についてEU理事会と合意に達した旨を発表した。EUタクソノミーとは、環境目的に資する経済活動を示した分類枠組みで、欧州委員会が2018年3月8日に採択したサステナブルファイナンスに関するアクションプランにおいて、最重要課題として位置づけられている。
  2. サステナブルファイナンスの基軸とも言えるEUタクソノミー規制案がこの度合意に至り、政策・基準・ラベル等、投資関連開示、非財務情報開示指令(NFRD)関連開示と、幅広い適用範囲が示された。その上、早いものは2021年末から適用開始予定となったことで、欧州の金融市場においてはサステナブルファイナンスの浸透がますます進むと想定される。
  3. EU経済が世界経済の約2割を占めており、EUの発行体によるSDGs債発行残高が5割程度を占める現状に鑑みると、EUタクソノミー規制を含めたサステナブルファイナンスをめぐる一連の動きが、EUのみならず、日本を含めた世界各国の金融市場・経済界等にどのような影響を及ぼしうるかが今後の1つの焦点になると考えられる。
  4. タクソノミーをめぐっては、EUのみならず、国際標準化機構(ISO)に加え、カナダや中国といった国によるタクソノミー関連の取り組みも見られる。今後、タクソノミーが各国・各地域で各々発展していくのか、世界的に収斂していくのかを見極めるのは、現時点では時期尚早と考えられる。しかしながら、パリ協定の2℃目標やSDGsの達成に向けた財源確保は、世界共通の課題になっている。タクソノミーが金融市場・経済界でさらに話題に上り、資金フローにも影響を及ぼすことも想定されよう。
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