要約

ファイナンシャル・ウェルネスとは、個人が金融面で満ち足りた状態にあることを示す概念である。企業にとって従業員のファイナンシャル・ウェルネスは重要であり、企業年金、財形貯蓄、従業員持株会のような制度を通じた支援も行われてきたが、従業員の多様化が進み企業と従業員の関係も変化する中、従来通りのやり方では不十分な可能性が生じている。野村證券 野村資産形成研究センターでは、このような問題意識の下、2021年10月に「ファイナンシャル・ウェルネス研究会」を立ち上げ、有志企業及び有識者と議論を重ね、2022年5月に報告書を取りまとめた。本稿では、研究会で共有された課題や問題認識の一部を紹介する。