相互に補完するインパクト投資とシステムチェンジ投資
-システム思考と生成AIを活用した課題構造解析-

野村證券 サステナブル・ビジネス開発部 兼 IBビジネス開発部 林田 稔

要約

  1. サステナブルファイナンスは、現代の社会的および環境的課題に対処し、持続可能な社会を構築するための重要な要素である。本稿では、サステナブルファイナンスにおいて注目されているインパクト投資とシステムチェンジ投資について考察する。
  2. インパクト投資は、社会的および財務的リターンの両立を目指す。この手法により、投資家は新たな投資機会を探求しつつ、持続可能な未来の実現に貢献できる。このアプローチは、今後も成長が期待され、持続可能な社会形成における重要な役割を担う。投資家や金融機関は、インパクト投資を戦略的に活用し、その潜在能力を引き出す努力を求められている。
  3. システムチェンジ投資は、社会や環境の根本的な変革を目指す手法である。このアプローチは、従来の投資手法では解決が難しい複雑な社会的課題に対し、システム全体の視点から取り組むことを可能にする。システムチェンジ投資の重要性は増しており、政府、投資家や金融機関はこれを理解し、検討することが求められ始めた。この手法は、社会的価値と長期的な経済価値の創造に寄与しうる。
  4. インパクト投資とシステムチェンジ投資は異なるアプローチを持ちながら、相互に補完し合う関係にある。インパクト投資が短中期的な成果を追求する一方で、システムチェンジ投資は長期的な視点から社会の変革を促す。持続可能な社会の実現に向けて、これらのアプローチに対する理解を深化し、その発展を図ることが必要である。
  5. 最後にシステムチェンジ投資の重要な概念であるシステム思考と生成人工知能(AI)を活用した課題構造解析の具体的な事例を紹介する。
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