中国のグリーンボンド市場

野村資本市場研究所 江夏 あかね、関根 栄一、宋 良也

要約

  1. グリーンボンドは、2000年代後半に誕生し、欧米での発行が中心的だったが、2016年頃から中国の発行体等による発行が堅調に伸びており、2018年の発行額は米国に次いで2位となっている。中国のグリーンボンド市場が活況となっている背景としては、中国政府がグリーンファイナンスの推進を重要施策として掲げるとともに、複数の管理・監督主体が、発行体や投資家に対してグリーンボンドの発行や投資を促進する複数の施策を講じていることが挙げられる。
  2. 中国におけるグリーンボンドの発行状況では、(1)発行体セクター別では商業銀行等が最も多く、事業会社が続く構造、(2)発行市場は、銀行間債券市場が中心、(3)資金使途は、クリーン・エネルギー、汚染防止・管理等が中心、(4)多くの銘柄が外部評価を取得、といった特徴が挙げられる。
  3. 中国におけるグリーンボンドの資金使途について、中国国内基準には、国際的に浸透している基準に適合しない資金使途等が含まれている。適合しない要因としては、グリーンの定義や調達資金のグリーンプロジェクトへの充当割合の違い等が中心となっている。気候債券イニシアチブ(CBI)によると、中国の発行体等によるグリーンボンドの発行額(2016~2018年)のうち、国際基準に適合していたものは全体の6~7割程度であった。
  4. 中国のグリーンボンドをめぐっては、国内基準が国際基準と異なる資金使途となっている問題が注目されるが、国際基準を満たす発行額のみでも世界的に見て十分に存在感のある規模となっている。その意味で、今後も中国におけるグリーンボンドの発行・投資状況やグリーンボンド市場の成長を支える仕組み等が、日本を含めた世界各国から注目される状況が続くと想定される。
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